India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0118 大気から水を生成する装置が描き出す、持続可能なインド水資源の未来

大気から水を生み出すMeghdoot AWGとは

タイムズ・オブ・インディア紙の9月10日付の記事によると、ウォーターテック企業であるMaithri Aquatechは、年間250万リットルの水を生成し、年間340万本のボトルをボトリングする能力を持つ、世界初の大気からの水のボトリング工場をハイデラバードに設立したと発表したとのことです。

Maithri Aquatech社は、持続可能な未来を創造するというビジョンのもとに設立されたハイデラバードの企業です。

同社は、サンスクリット語で「天空の使者」を意味する『Meghdoot AWG(大気水生成装置:Atmospheric Water Generator)』を開発しました。Meghdootは、高い費用対効果と拡張性を備え、大気中の水分を採取して水を生成することができます。

今回設立されたボトリングプラントには、この MEGHDOOT  AWGが複数設置されます。

Maithri Aquatech社の創業者兼マネージングディレクターのRamkrishna Mukkavilli氏は、「パッケージウォーターのボトリング工場で、空気を利用して必要な水を供給するのは世界で初めてのことです」と述べています。

Mukkavilli氏によると、同社は研究開発、ハイデラバード近郊のチャーラパリに設立されたボトリング施設に300万ドル以上を投資したとのことです。

Meghdoot AWGでインドから世界へ

同氏はさらに、インド以外にも、ガーナ、アラブ首長国連邦、ザンビア、コモロなどの政府や民間企業と、同様の空気からの水のボトリング工場の設立について協議を進めており、ガーナとアラブ首長国連邦では1日あたり100万リットル、ザンビアとコモロでは1日あたり最大1リットルの水を供給することができると述べました。

Maithri Aquatech社は、中南米を含む海外に MEGHDOOT AWGの組立工場の設立も検討しています。

Mukkavilli氏「現在、当社の MEGHDOOT AWGは27カ国のオフィス、工場、家庭で使用されており、さらに13カ国への進出を予定しています。中南米からも多くの問い合わせを受けています」と述べ、家庭用の25リットル容量から業務用の約5,000リットル容量までのMeghdoot AWGを開発してきたことを明らかにしました。

また、このボトリング工場は、冷房条件を満たすという点でも、世界初の快挙を成し遂げており、Mukkavilli氏によると、Meghdoot AWGは水の生成プロセスの副産物として冷たい空気を生成し、これが水の検査室とボトリングエリアを集中的に冷却し、温度を15〜18℃に下げて維持するとのことです。

さらには、大気中には地球上の全河川の6倍の水が存在することを指摘し、AWGを水資源の確保に活かすことは、地下水や他の水域への依存度を減らすのに役立つとも発言しています。

持続可能な水資源という課題解決を目指して

Maithri Aquatech社は3月には、アーンドラ・プラデーシュ州ヴィシャーカパトナムのスマートシティ(先進技術を用い、利便性と公共性の高いインフラを整備し、持続可能で質の高い生活をもたらす都市)に、世界初の空気から水を作るモバイルキオスクと水の知識センターを設置するなども行っています。

このキオスクでは、きれいな水を供給するだけでなく、水の知識を提供するセンターとしても機能し、地域の人々や近隣の学校の生徒たちに、水・衛生・トイレを適切に利用することのメリットを認識してもらい、必要な情報を提供する役割を果たします。

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が注目される昨今、水資源の将来的・長期的確保もグローバルな課題の一つと言えます。インドにおけるMaithri Aquatech社の取り組みは、世界全体の今後の指針を示すものとして注目したいところです。

ソース:Maithri Aquatechは、ハイデラバードに世界初の空気からの水瓶詰め工場を設立しました

Maithri Aquatechは、Vizagスマートシティに「世界初のエアキオスクからのモバイルウォーター」を設置しました

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