India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0019 コロナ禍で急速に拡大するスマホ需要。その背景にあるインド特有の事情とは?

インド大手経済メディアのThe Economic Times社の2020年7月9日付報道によると、インドのスマートフォン関連の業界団体である“ICEA(India Cellular & Electronics Association)”は従来型の携帯電話“フィーチャーフォン”をなくし、すべての国民がスマートフォンを使用するように動き始めている、と発表しました。これまでインド国内初のWindows OS対応スマートフォンや4G対応のフィーチャーフォンを投入してきたインド地場メーカーLava International(ラバインターナショナル)の共同創業者Hari Om Rai氏は「今後2ヶ月以内にフィーチャーフォンのユーザー層がスマートフォンに移行する準備は整うだろう」と述べています。現在4億5千万人を超えるスマートフォンユーザーがいますが、2022年には人口の60%を占める約8億2千万人がスマートフォンを使用しているだろうとの予測もされています。

インドには現時点で300を超える政府関連アプリがあり、新型コロナウイルスの感染経路を追跡できる1億3千万ダウンロードを記録する“Aarogya Setu(アローギャ・セツ)”もそのうちの一つです。その他、インド電子情報技術省(MeitY:Ministry of Electronics and Information Technology)とインド政府の共同で開発された公共サービスやe-ガバナンスプラットフォームアプリである“UMANG(ウマン : Unified Mobile Application for New-age Governance)”やデジタル・インディア政策の一貫として導入されたペーパーレス化プラットフォームアプリ“DigiLocker(デジロッカー)”も国民にとって欠かせないアプリとなりつつあります。スマートフォンを介してのみ得られる情報も多く、現在の不確実な状況においてスマートフォンの普及を促進させることは国民の心理的安心材料にもつながってくるでしょう。また、地方に住んでいる住民にとって医師不足は深刻な問題となっており、スマートフォンによってテレメディシンの利用が可能になることで地方の感染拡大を抑える要因にもなると思います。

6月より段階的にロックダウンが解除されており、教育機関などの再開も検討されていましたが、新規感染者は伸び続ける状況下においてロックダウンを再開した州も多くあります。学校の再開もいつになるか目処が立たず、今後しばらくはオンライン授業が続くでしょう。そんな中、子供にパソコンを与えられない家族も多く、フィーチャーフォンしか持っていないため授業に参加できないといった問題も出てきています。また、オンラインテストの受験を選択制にしている学校も出てきており、この状況が続くと生徒によって成績に大きな差が生まれてくることが予測されます。少しでも早く、また少しでも多くの人がスマートフォンを利用できるようになるための政策に期待したいです。

Source:インド、フィーチャーフォンからスマートフォンへの完全移行を検討中