Vol.0032 競争率の激しいインドフォトウェディング産業界で注目を集めるWeddingNamaの強みとは?
多彩な撮影で競争の激しいフォトウェディング市場で存在感を示す
インド最大のスタートアップメディアであるYourStory社の2020年8 月23日付けの報道によると、ムンバイを拠点とし、フォトウェディングやビデオの作成を手掛けるスタートアップの『WeddingNama(ウェディングナマ)』が競争の激しいインドのフォトウェディング市場において一際注目を集めているようです。
同社は2013年に旅行と写真が共通の趣味である夫婦、Ankita Asthana氏とAkash Agarwal氏によって創設され、従業員数はわずか15人、また年間のフォトウェディング、ビデオの作成は20組までと制限を設けているにもかかわらず、同社の時価総額は7年で10倍にまで伸びています。
WeddingNamaはこれまでにドローン撮影、水中撮影、海外での出張撮影などを採用し、Great Indian Wedding Awards(GIWA)、WOW Asia Awards、その他Junebug Weddings、Fearless hotographers、ISPWP(※1)、WPJA(※2)など国際的に有名なフォトウェディングの賞を受賞、また、Vogue、Harper’s Bazaar、NYTimes、Huffington Postなどのメディアにも取り上げられてきました。
コロナウイルス禍に展開するフォトウェディングスクールとは
ウェディング産業にとって新型コロナウイルスの影響は大きく、ロックダウンによる結婚式の延期が続いており、またインド特有の大規模な結婚式は今後もしばらく制限がかかる状況です。
そんな中WeddingNamaは2019年8月より開始したフォトグラファー、シネマトグラファー、またそれを目指す人向けの3日間集中のフォトウェディングスクール『The WeddingNama School』に尽力しているようです。
Ankita氏とAkash氏は『インドウェディング産業は短期的な打撃は受けるだろう。しかし派手にお祝いをするのが好きなインド人にとって、大規模な結婚式はインドの文化に根付いており、国民の感情にも深く結びついているため、インド国民にとって必要不可欠な存在である。以前のような巨大な結婚式が開催されるまでそう長くはかからないと信じている。』と述べています。
アフターコロナに期待されるインドウェディング産業のポテンシャル
2017年のKPMGのレポートによると、インドウェディングの市場規模は400億~500億ドル(4兆2000億円~5兆2000億円)で米国に次ぎ世界第2位と推定されています。インド人にとって結婚式は人生最大のイベントであり、年収が30万円~150万円の中級所得者層の結婚式にかける費用は平均で150万円を超えています。
また1000人を超える規模の結婚式も一般的で、アフターコロナもインド人の結婚式にかける想いは変わらないように思います。現在はUnlock3.0の下、結婚式に招待できる人数は上限50人の制限がありますが、明日から始まるUnlock4.0では9月21日以降デリーで開催される結婚式には100人まで招待できるように規制緩和されます。インド政府も経済の低迷を懸念して経済活動に関する規制を緩めているので、インド経済にも大きく影響のあるウェディング産業に勢いが戻ってくる日も近いように思います。
※1 ISPWP:International Society of Professional Wedding Photographers
※2 WPJA:Wedding Photojournalist Association
Source:
フォトウェディングスタートアップのWeddingNamaが同産業で注目の的に
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