Vol.0057 SAWO Labsが提供する新しい認証システムに注目
スタートアップ企業SAWO Labs
オンライン取引を行う際、ワンタイムパスワード(OTP)の入力を求められる機会が多いのではないでしょうか。特にインドでは、OTPの入力によりセキュリティ認証を行う場合が多く、オンラインショッピング、ネット銀行へのログインなど様々な場面でOTPの入力が求めらます。しかし、システムエラーなどによりOTPを受信出来ず、OTP受信のために同じ手順を何度も繰り返さなければいけない場合もあります。
このOTP問題を解決するため、スタートアップ企業SAWO LabsはOTPなしの新しい認証システムを提供し注目を集めています。
SAWO Labsの提供サービス
インド最大のスタートアップメディアであるYourStory社の2020年12月7日付けの報道は、SAWO Labsが提供する認証サービスについて説明しています。
SAWO Labs は23歳のPrabhat Sahu氏が今年(2020年)スタートさせました。現在、ムンバイを拠点としてサービス提供を行っています。SAWO Labsは、OTPの煩わしい問題を解決するため、OTPを入力を必要としないSaaS型 (※1)ワンクリック認証サービスを提供しています。
「パスワードを忘れたり、忘れたパスワードを取得するためのOTPを受信しなかった場合の混乱は、顧客が最終的にサービスから離れてしまうことに繋がります。私は、パンデミックのためグジャラート州の実家に戻っていた時、起業のアイディアを思いつきました。映画配信サービスHotstarにログインしようとしましたが、ほぼ1時間、OTPを受け取ることが出来ませんでした。このようにOTPの遅延がサービス提供の障害となり、エンドユーザーに迷惑を掛けている現状について考えさせられました。」
とPrabhat Sahu氏は語っています。
OTPなしの新しい認証システム
SAWO LabsはPKCS(※2)を使用することにより、OTPなしで通信をする二者間の認証を行うことに成功しています。ユーザーがSAWOのプラットフォームを介して認証しようとすると、シークレットキーが端末に落とし込まれます。ユーザー側に保存されたシークレットキーは、次回以降SAWOの認証証明アプリに移行する際のログイン承認の引き金となるのです。この承認システムにより、ユーザーはOTP入力のストレスなしにログインすることが可能です。
OTPが届かず、ログインや支払いが出来ない経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。個人情報を守ることは大切ですが、認証のために時間を無駄にしたり、ストレスを感じることは出来るだけ避けたいものです。OTPを必要とせず、セキュリティも守られるSAWO Labsの提供するサービスはとても便利で、これから更に需要が広まっていくと思います。
※1 Software as a Serviceの略語。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアで、一般にはインターネット経由で必要な機能を利用する仕組みのこと。
※2 Public Key Cryptography Standardsの略語。RSAセキュリティにより考案され公開された公開鍵暗号標準のグループのこと。
source: OTPなしで簡単に安全なオンライン取引を実現