India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0136  インドのライドシェア市場:覇権を握るのは誰か?

インド大手スタートアップメディアのYourstory社の2024年2月8日付報道によると、Uberはインドでのビジネスが非常に好調であり、特にバイクタクシー分野で大きな競争相手であるOlaに対して優位に立っていると発表しました。同社CEOのダラ・コスロシャヒは、インド市場で「より大きなプレイヤー」であると述べ、二輪車サービスで大きな進歩を遂げていると強調しました。この分野では、昨年Uberのバイクタクシーサービスが個人車両の商業利用に関する政府の規制によりデリーで禁止された一方で、Olaは電動バイクタクシーフリートを導入し、より安価な乗車オプションを提供することで市場シェアの拡大を狙っています。

第4四半期の財務報告では、Uberの純利益が前年比でほぼ3倍の1.43億ドルに増加し、これは同社の持分投資の再評価から得られた大幅な税前利益が主な要因です。同四半期の業績は休日シーズンの需要増加とリピーターにより牽引され、総予約は22%増加しました。Uberは今後の見通しも明るく、1月から3月の四半期には調整後EBITDAが1.26億ドルから1.34億ドルになると予済み、これはアナリストの予想を上回るものです。

 

また、Uberはバイクタクシーだけでなく、フードデリバリーサービスやプールライド、地元タクシーサービスとのパートナーシップ、高級車サービスなど、様々な分野で事業を拡大しています。第4四半期の収益は15%増の99億ドルに達し、この好調な業績により、同社の株価は微増しました。Uberはインド市場での強力なパフォーマンスと戦略的な拡大により、業界での地位を確固たるものにしています。

 

Source: インド市場におけるUberの拡大

 

Uberはインドではとても一般的な交通手段の一つで、私も頻繁に比較的安価なUberのバイクタクシーを利用します。外国人である私にとって、料金が事前に確定しているため、いわゆる“ぼったくり”を避けることができるので大変に重宝しています。

また、ライドシェア市場が急速に成長を遂げる中、自動車を所有することがステータスシンボルとしての側面も強いインドにおいて、自家用車所有に対する人々の意識がどのように変化していくのかが興味深いです。

(文責:大森太郎)