Vol.0142 インド、テクノロジーのフロントランナーへ:国産化と輸出でグローバルに影響
インドのアシュウィニ・ヴァイシュナウ連邦大臣は、PhonePe(デジタル決済及び金融サービス会社)のIndus Appstore(インド固有のモバイルアプリストア)の発表会で“Vikasit Bharat@2047“(インド政府が2047年までに経済規模を30兆ドル規模に拡大し、16.5億人の人口を支える発展した経済を実現するプラン)を目標に向かって進むための3つの技術柱について言及しました。これらの柱とは、①テレコム(電気通信関連のビジネスや技術の総称)の輸出と6G、② インド国産スマートフォン、③ 半導体です。ヴァイシュナウ大臣は、Vande Bharat(インド国内の鉄道輸送の近代化を目指す、インド製高速列車プロジェクト)やインドのデジタルスタック(国民ID、統一決済インターフェース、デジタルインフラなどの国が開発した技術やフレームワーク)のような特定の技術に焦点を当て、これらの技術を開発して輸出していく方針を示しました。この取り組みは、国内での技術開発を促進し、インドをグローバルなイノベーションの中心地として位置づけることを目的としています。
特にインドのテレコム業界は、国内での大規模な5Gネットワークの展開を通じて、顕著な変革を遂げています。世界中から注目を集めるこの進展により、インドはすでに世界で2番目に大きな5Gエコシステムを構築していると評価されています。5G展開に使用される機器の大半は「Made in India(インド製商品や製品をアピールするためのキャンペーン)」であり、2025年までに数十億ドル相当の「複雑なテレコム機器」を米国やヨーロッパに輸出する準備を進めています。さらに、インドは今後5年間でグローバル6G展開のリーダーとなることを目指しています。2029年までに6G技術が広く普及し、インドがこの新技術のソフトウェアとハードウェアの開発および輸出において重要な役割を果たすことが期待されています。
また、国産半導体チップの初ロールアウトは、2024年12月に予定されています。最終的には3~4カ所の大規模製造施設の運営することを目標としており、少なくとも1つの特定技術分野で独自の強みを築き、国際市場でのリーダーシップを確立することを望んでいます。
Source:インド、技術革新の先駆者として世界を牽引
この記事からは、かつては世界のバックオフィスであったインドが、開発者、生産者となり今後の世界をリードしていくのではないかと予感させます。
また、「Made in India」の取り組みにより、国内の製造業が強化されることによって、インド経済のさらなる発展が期待れます。特に高度な技術製品や半導体などの外部依存が高い分野での自立は、様々なフィールドにおいてインドのプレゼンスの強化が見込まれるように思います。
(文責:大森太郎)