Vol.0154 ナッツで世界を変える: Farmleyが描く、健康志向スナックの未来
Farmleyは、健康志向が高まる中で、天然でオーガニックなドライフルーツやナッツを提供するデリー拠点のD2C(直接消費者へ販売)スタートアップです。2017年にIIT:Indian Institutes of Technology(インド工科大学)の卒業生であるAkash Sharma氏とAbhishek Agarwal氏によって設立されました。彼らは、特にシンガポールなどで顕著な1日に7-8回の間食を取る現代人の食生活に対応し、健康的なスナックへの需要に応えるためにこの企業を立ち上げました。
Farmleyの特徴は、農場から直接調達した無添加のドライフルーツやナッツを販売している点です。これにより、農家との深いつながりを築き、中間業者を介さずに厳格な品質チェックを実施しています。同社はISO:International Organization for Standardization(国際標準化機構)やFSSAI:Food Safety and Standards Authority of India(インド食品安全基準局)認証を受けた製造センターで、5,000人以上の農家や生産者と連携を深めています。
最初はB2Bの卸売りに焦点を当てていましたが、その後D2Cモデルへとシフトし、エンドユーザーに直接製品を届けるようになりました。これにより、より多くの消費者に対して製品の認識を広め、独自性の強いのブランドを構築することを目指しています。
現在、Farmleyは80種類の製品を提供しており、それらは飽和脂肪酸を多く含むパーム油を使用せずに製造されています。製品の価格帯は30ルピーから999ルピーで、Amazon、Flipkart、Bigbasketなどのオンラインプラットフォームや、小売店を通じて販売されています。
また同社は、5つの加工工場を持ち、260名の従業員の60%以上が女性です。
競争が激しいインドのスナック市場で、Farmleyは健康的なスナックへの需要に応えることで差別化を図っています。同社はインド国内だけでなく、米国、中東、オーストラリアにも進出しており、海外に住むインド人をターゲットに事業をさらに拡大する計画です。
Source:健康をギフトするFarmley
コロナ以降インドでも栄養価の高い健康的な食事への関心が高まっています。
多くのインド料理やお菓子は、油分や砂糖がとても多く、とても健康的とは言えません。Farmleyのこの取り組みは、健康的なスナックを求める消費者のニーズに応えるだけでなく、農家の生活向上にも貢献していて、とても魅力的に感じました。
インドでも、手ごろな価格で健康的な食事ができる選択肢が増えていくことを期待したいです。
(文責:大森太郎)