vol.0182 コルカタの未来を見据えたエコタクシーの誕生
Snap-E Cabsは、2022年にMayank Bindal氏がコルカタで設立したEVライドシェアリングスタートアップであり、都市の伝統的な交通手段をエコフレンドリーな車両で変革することを目指しています。
コルカタは大気汚染が深刻で、PM2.5濃度がWHO基準を大幅に超えています。この問題に着目したBindal氏は、最初はEV充電ネットワークを構築する計画でした。しかし、EVライドシェアリングの市場が大きな成長を見せることに気付き、事業を転換しました。
現在、同社は600台以上のEVを運用しており、毎日約2,500回の乗車を提供し、月間売上高は2億ルピー(約3億6400万円)を超えています。
Mayank Bindal氏は、Uberでの経験を経て独自アプリを開発し、2022年10月にSnap-E Cabsアプリとしてリリースしました。当初のアプリには不具合が多く見られましたが、迅速に改良され、アプリは1ヶ月で30,000回以上ダウンロードされ、現在は10万回を超えるダウンロード数を誇ります。
Snap-E Cabsは大手企業と提携し、従業員の通勤や移動に使用される車両を提供することで、車両の稼働率を最大化しており、2024年度の年間収益は35 Crore(約42億円)に達する見込みです。
さらに、Snap-E Cabsは充電インフラの拡大にも注力しており、コルカタ市内に700以上の専用充電ポイントを設置しています。この充電ネットワークは現在、Snap-Eの運用に優先的に使用されていますが、将来的には他の事業者にも開放する計画です。
競争が激化する中、Snap-E Cabsは、地域ごとに異なるプレイヤーが市場を支配することになると予想しており、コルカタでの先行者利益を活かしながら、他都市への展開を進める予定です。
Source:持続可能な都市交通。Snap-E Cabsがコルカタで描くビジョン
Snap-E Cabsの成功は、特に大気汚染が深刻なコルカタのような都市で、環境に配慮した移動手段がいかに重要かを実感させます。
筆者が暮らすベンガルールでもUberやOlaなどライドシェアには多くの選択肢がありますが、コルカタでのSnap-E Cabsのようなローカルアプリが格安です。また、街中でオートリキシャに乗っていると、周りの車のドス黒い排気ガスを浴びることも多々あり、EVの普及がさらに進むことに期待したいです。
(文責:大森太郎)