India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0144 グリーンを注ぐ: インドのバーとレストランが描く持続可能な未来

インドのバーやレストランでは持続可能性が重要なテーマになっています。多くの施設が、顧客からの評価を得るためだけでなく、地球環境に貢献するために環境意識を高めています。彼らは資源の最適化、廃棄物の削減、地元の食材の使用など、持続可能な運営を目指しています。特にプネー、デリー、ベンガルール、コルカタのバーでは、この取り組みが顕著に見ることができます。

例えば、プネーのバーCobbler and Crewは、地元の有機食材を使用することで、輸送に伴う大量の二酸化炭素排出を削減しています。彼らは、インドで最も持続可能なバーとして2024年にIndia‘s30BestBars(インド全土のBarを対象にした年間ランキングイベント)で表彰されました。バーの共同創設者Achanta氏は、生物分解可能なストローやカップを使用することや、残り物をリサイクルすることや、堆肥化するなどの簡単な方法で廃棄物を最小限に抑えることができると語ります。

また彼は、エネルギーと水の消費にも関心を向けています。モーションセンサー付きの照明の設置や、余分な水や氷の掃除や水やりへの再利用、エネルギー効率のいい家電製品の採用などによって二酸化炭素を減らす取り組みを促しています。

他にもCobbler and Crewは、キッチン用プラスチックや包装紙などの余剰廃棄物の全てをリサイクル会社に送り、コースターを作っています。持ち帰り用には、再生紙でできた使い捨てナプキンや、もみ殻でできた使い捨てグラスを使用しています。

チェンナイにあるレストランAt Pandan Clubでは、各ドリンクはストローが必要ないように設計し、コースターやボトルには代替品を使用することでプラスチックの利用を避けています。

また、プネーにあるSoy Como Soyは、余った果物の皮や果肉をシロップに、殻はリキュールに変えています。他にもミントやレモングラスは紅茶の風味付けに使われ、発泡スチロールの箱は花壇や保冷のための容器として再利用しています。

 

Source:インドのバーが持続可能性で差をつける

 

インドでのバーとレストランの持続可能性への取り組みは、とても先進的なものだと思いました。特に、可能な限り廃棄物を出さず、再利用しようとする姿勢や工夫には驚かされました。そして、India‘s30BestBarsのような注目度の高いコンペティションでのCobbler and Crewの受賞は、インドのバー業界での持続可能性への関心の高さが感じられました。

また、多くの飲食店が地元の農家とつながることで、より地域の特色を生かした創造的な料理が生まれるのではないかと期待しています。

 

(文責:大森太郎)