India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0160 インド消費の再興:小さな購入が織りなす大きな物語

インドの消費者の間で「購買意欲」が見事な復活を遂げています。DelhiveryのCOO、Ajith Pai氏は、小さな購入から大きな夢へと、中間層インド人の消費パターンが形成されていく様子を指摘します。それは、月に一度のピザの注文から始まり、350ルピーでのオンラインショッピングが、新しい消費者層の誕生を示しています。

Delhiveryは、インド国内の配送の25%を担い、インド全体の郵便番号の10%に相当するエリアに渡って170,000トンの物資を運ぶことで、消費の増加を肌で感じています。Pai氏によると、インドは90年代の大改革以後の購買意欲の低迷を乗り越えました。特に過去8〜10年間での、インドを世界的な製造業のハブを目指す”Make in India”や、デジタルインフラの強化とインターネットアクセスの普及を推進する”Digital India”、スタートアップに対する税制上の優遇や手続きの簡易化を提供する”Startup India”などの政府のブランディング戦略が様々なセクターにおける成長と活性化に貢献し、人々の消費への志向性を高めています。

消費者は、ただより多くを求めるだけでなく、より上質なものを求めるようになりました。たとえば、500ルピーの靴を購入する消費者は、2,000ルピーの同じ靴が販売されているブランドのウェブサイトも閲覧しているとされます。

パンデミックを経て、インドの消費者はこれまで以上に柔軟な購買習慣を持つようになりました。異なるプラットフォームを使い分けることに何の躊躇もなく、デジタルと実店舗の両方でのショッピングに積極的です。Pai氏は、インドの消費者は独自の進化を遂げており、あるカテゴリーは完全にオンラインで、別のカテゴリーではオンラインとオフラインを半々で購入するなど、ユニークな購買パターンを示していると述べています。

また、Amazon Web Services(ASW)のクラウドサービスやDelhiveryの物流サービスなど、手軽に利用できるビジネスリソースのおかげで、小さなインドブランドが力強く成長しています。Pai氏は、これらのサービスによって新興企業が広範な顧客にサービスを提供することを可能にし、製品と顧客に集中することができると強調します。

このようにして、インドではニーズごと、価格帯ごとにブランドが次々と誕生しており、これらが持続可能で利益をもたらすビジネスになることをPai氏は確信しています。

Source:革命を運ぶDelhivery

 

インドはeコマースの急速な発展とパンデミックによって、消費習慣を独自の方法で発展させました。これにより、スーパーマーケットやモールで買い物をするという、従来の先進国が辿ってきたステップを飛ばして、地域の雑貨店で日用品などを購入するというところから直接オンラインショップで商品を購入するようになった人が多くいるといわれます。
またこのような状況で、プラグアンドプレイのサービスが小規模店のさらなる進出、拡大を進め、あらゆるニーズに対応したネットショッピングが楽しめるようになっています。
筆者の周りの友人たちの買い物を見ていても、上手くネットショッピングを利用している人が多いように感じます。
多くの選択肢がある反面、不用意に物を買った後によりお得な物や効率的な方法を知ることもあり、損をした気分になることもあるので、何か新しいジャンルのものを買う前には、友人たちに訪ねるようにしています。

 

(文責:大森太郎)