India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0176 Varthanaの金融支援で拡大するインドの教育の未来

Varthana Financeは、インドの低所得者層向けの学校に対して金融支援を提供し、教育機会の拡大と改善を図っています。この取り組みは、バンガロールに拠点を置くノンバンク金融会社であるVarthanaの共同創設者であるスティーブ・ハードグレイブ氏とブラジェシュ・ミシュラ氏によって主導されています。

Varthanaは既存の銀行関係を持たない小規模な私立学校にローンを提供し、教室の拡張や実験室のアップグレード、スクールバスの購入などを支援しています。これにより、多くの低所得家庭の子供たちがより良い教育を受ける機会を得ることができます。

インドでは月額わずか5ドル程度の授業料の私立学校も存在し、学費が安いのにもかかわらず現代的な教育方法を採用し、技術を取り入れ、課外活動にも注力しています。これらの学校の経営者たちは、自分たちの資金と財産で学校を設立したが、拡大のための資金確保に苦労していました。しかし、多くの銀行はこれらの学校の信用度に関する先入観や、引き受けプロセスに伴う難しさから、融資を敬遠していました。

投資家の返済保証に対する信頼を確固たるものにするために、Varthanaは著名な起業家をローンの共同申請者とし、さらに信頼性と説明責任を確保するために一部の信託受託者メンバーに加えます。また、学校の事務室に入って、適切な種類の記録を求め、実際に学校を訪れて生徒数を確認するなど、独自の方法で審査を行っています。このような取り組みにより、Varthanaは現在14州で11,000校以上を支援しており、平均融資額は35万ルピーに達しています。
彼らが融資を行う学校の多くは、親が農民、日雇い労働者、オートリキシャの運転手など、低所得層の労働者である子どもたちに教育を提供している。

 

コロナ渦には、Varthanaは他の貸し手と異なり、自宅学習用の教材セットやデジタルコンテンツの提供などの学術支援も行いました。また、Varthanaは学生ローンの提供にも乗り出し、10年生や12年生を修了した学生が高等教育や職業訓練を受けられるよう支援しています。

これにより、経済的な理由で中退する学生を減らし、彼らの収入可能性を向上させることを目指しています。

 

Source:Varthanaが開く低コストの私立学校の新しい可能性

 

インドの低所得者層の家庭では、子供を学校に通わせる経済的な余裕がなく、学費や制服、教科書などの費用を賄えません。その結果、子供たちが学校を中退し、家計を支えるために働かざるを得ない状況に追い込まれます。特に農村部では、収穫期に子供たちが農作業を手伝うために学校を休むことが多くあります。
Varthanaがの取り組みは、低所得層の学生に手頃で質の高い教育を提供し、インド社会全体の発展に寄与していると感じました。さらに、学生ローン分野への進出など、今後もこのような活動が広がり続いていくことを期待したいです。

 

(文責:大森太郎)