India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol. 0008 インドの段階的なロックダウン解除に対して募る不安。新たな感染爆発の可能性も

インドでコロナウイルス感染対策のためのロックダウン解除が発表

インド内政省は段階的なロックダウン解除を発表

インド大手経済メディアのThe Times of India社の2020年5 月30 日付報道によると、インド内政省(MHA : Ministry of Home Affairs)は5月31日に終了するロックダウン4.0に伴い、6月1日より段階的にロックダウンを解除(unlock)すると発表しました。例外として、特に感染者数の多い封じ込めゾーン(Containment Zones)では6月30日までロックダウンが続くようです。また、国の政策とは別にマディヤ・プラデーシュ州、西ベンガル州は6月15日まで、パンジャブ州は6月30日までロックダウンを延長する旨を発表しました。

今回の ”Unlock 1.0” では6月8日よりホテル、レストラン、その他接客業、ショッピングモールの営業、そして宗教施設へのアクセス、ならびに参拝が認められることとなりました。教育機関の運営に関しては、生徒の保護者を含む関係者の意見をもとに、各州と各連邦直轄領(UTs: Union Territories)の協議によって7月に判断が下されます。また、国際線の運航、メトロ、映画館、スポーツジム、プール、その他娯楽施設の運営再開、ならびに社会的、政治的、文化的な行事、スポーツイベントなどの再開は状況をもとに判断されます。その他、州内、および州間の移動は6月1日より許可証が不要になり、夜間の外出制限が19時から21時に緩和されることが発表されました。

6月8日からホテル、レストランなども営業再開ということで、引き続き規制が続く面もありますが、実質的にはロックダウン解禁ということになります。ロックダウン4.0が開始されてから、新型コロナウイルス新規感染者数は日に日に増えており、個人的にはロックダウンの延長、もしくは規制を強化するだろうと予測していたので、今回の発表には少し驚きました。

宗教施設での感染拡大が懸念される

インド国内での感染者はロックダウンを始めた3月25日時点では562人でしたが、宗教施設での集会などで感染が一気に拡大した面もあります。免疫機能が比較的低い65歳以上の高齢者、10歳未満の子供は引き続き家に居ることを推奨されていますが、強制的ではないため、信仰心の強いインド人は宗教施設に参拝に行くことが予想できます。今回の ”Unlock 1.0” で宗教施設へのアクセスを認めることは新たな感染爆発につながるのではないかと不安が募るばかりです。

Source:インド内務省、ロックダウンの段階的な解除を発表
マディヤ・プラデーシュ州、パンジャブ州などはロックダウン延長

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