Vol.0043 クラウド農業サービスを提供するOrinkoの戦略とは?
インドの農業の新しい形、クラウド農業サービス
インド最大のスタートアップメディアであるYourStory社の2020年10月25日付けの報道によると、バンガロールを拠点とするスタートアップ企業Orinko(オリンコ)は、インドでコロナの影響が拡大する中、クラウド農業サービスにより農家がより多くの収入を得られるように支援し、注目を集めています。Orinkoは、テクノロジーで農家と食卓をつなぐサービスを提供しています。農業を持続的なものとし、農家がより収益を得られることを目指して、ヴィカス・ミッタルとアンキット・アガルワルの2人が共同でスタートさせました。
農業はインドにとって重要な産業であり、インドの人口の約 58%が農業分野で生計を立てていると言われています。しかし、農薬等コストの上昇や良質な種の入手、干ばつや洪水などの自然災害などの問題に加えて、中間業者からの搾取といった構造的な問題もインドの農家の大きな障害となっています。これら障害を解決するためにOrinkoは農家からの農産物を自社ブランドとして市場に販売することで、競争力のある価格を実現し、さらに柔軟な支払方法や配送サポートを提供しています。
安全・安心な作物提供を目指して
また、伝統的な農法とは別に土を使わない水耕栽培土農法を行い、健康的な果物や野菜の生産量を効率的に増やすための活動も行っています。
Orinkoが提供するすべての果物や野菜は社内の品質管理システムに加えて政府公認のラボで品質チェックを受けており、さらに一切の化学薬品を使用していません。消費者は、QRコードから“種から食卓に届くまで”の情報や栽培農家の画像をチェックすることが出来き、安心して野菜や果物を口にすることが可能です。
近年では、多少高額でも安心な食を求めるインド富裕層が増えています。その証拠に、都市部ではオーガニックカフェや無農薬野菜を扱った高級スーパーが人気を集めています。路上マーケットで新鮮な野菜や果物を購入することも出来ますが、農薬が心配だという声も耳にします。インドでは同居家族が多く、外食よりも家庭料理を大切にする文化があります。安心な食材を簡単に注文出来き、時自宅までデリバリーしてもらえるサービスは消費者にとって、魅力的なサービスだと思います。