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週刊インドトピックス

Vol.0127 インドのEV(電気自動車)施策・州政府から広がるEV導入

インドは現在EV(電気自動車)の普及に向けた取り組みを加速させています。中でも、マハラシュトラ州やウッタルプラデシュ州のような関連する政策を策定している州政府がEV化を牽引している状況です。

バスの電動化を通じて州政府が担う大きな役割

インド政府系シンクタンク「NITI Aayog」のCEOであるAmitabh Kant氏は、二輪車や三輪車の電動化のペースは速い一方、インドの交通事情においてバスの電動化は遅れていることを指摘しており、電気バスの導入には州政府が大きな役割を担っていると述べています。

インドでは現在、エコカー普及支援制度「FAME:Faster Adoption and Manufacturing of Hybrid and Electric Vehicle」の第2期にあり、400万人以上の都市(ムンバイ、デリー、ベンガルール、ハイデラバード、アーメダバード、チェンナイ、コルカタ、スラット、プネ)に電気自動車の導入を推進されています。

マハラシュトラ州やゴア州など一部の州政府では今後、既存の公用車を電気自動車に転換することが義務付けられており、中央政府の中には、EESL(国営電力会社の合弁事業)経由のリースや直接購入で電気自動車の調達を進めるよう勧告されているものもあるなど、各州の公用車の電動化が積極的に推し進められています。

最近では、この9都市で5,585台(ダブルデッカー135台を含む)の電気バスのグローバル入札が行われ、同様の入札としては記録的なものとなりました。

自動車メーカーTata Motors社の製品ライン・バス担当副社長Rohit Srivastava氏は、「四輪車の中でも、都市部の大量輸送は勢いを増しており、いくつかの州の交通事業団体が電気バスを追加しています」と述べました。

実際、既にTata Motors社はジャイプル市交通局やデリー交通局から200台の電気バスを受注しています。

導入にあたり注目されるEVの経済性

これらの中央政府の取り組みに加え、電気自動車の専門家の見解によると、電動式バスが内燃エンジン搭載バスと比較して総所有コストが同等であり、各州が電動式バスを導入することは財政的に理にかなっているということです。

自動車メーカーAshok Leyland社の子会社のディレクター兼CEO、Mahesh Babu氏は「電気バスの新規入札は2,650件に上ります。リキシャ(3輪車)は電動化への転換期にあり、ここ数ヶ月で30%以上の電動化が進み、販売台数は年々増加しています。」 と、述べました。

最近5つの都市で電気バス調達のための545億ルピーの大規模入札を開始したConvergence Energy Services社のマネージングディレクター兼CEOであるMahua Acharya氏もまた、州交通公社への電気バスの採用はすぐに進むだろうと語っています。

Babu氏は、バスはディーゼル車より電気自動車の方がランニングコストが安いので、すべての市バスを速やかに電気自動車に入れ替えるのは理にかなっていると述べた一方、こうしたプロジェクトには政府からの融資や補助金のサポートを継続していくことが必須であるとも付け加えています。

さらなる成長の余地を残したインドEV産業

Tata Motors社、Ashok Leyland社、Mahindra社、JBM Auto社など様々なインドの大手自動車メーカーが、各省庁から受注した電気バス、三輪車、乗用車の供給を開始しました。

公共政策シンクタンクのCEEW-CEF (Centre for Energy Finance)の分析によると、インドでは350社以上が電気三輪車を製造している一方で電動二輪車を製造する企業は40社未満、さらに、電動四輪車と電気バスのメーカーはそれぞれ10足らずです。

CEEW-CEFのプログラムリーダーであるRishabh Jain氏は、「電気自動車を販売する企業が増え、車種が増え、販売店が全国に広がれば、他のカテゴリーでの販売シェアも増加する可能性があります」と述べています。

インドにおけるEV産業、特に四輪電気自動車のカテゴリーはまだまだ成長の余地を大きく抱えているようです。

電気自動車は世界的なトレンドであり、また自動車製造が国の基幹産業となっている日本において、インドのEV化は特に注視すべきトピックであるといえるでしょう。

ソース:マハラシュトラ州とウッタルプラデシュ州は、電気自動車の未来に向けてインドをリードしています。

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