youtube

新規赴任者向けYoutubeチャンネル

【インドビジネス歴10年超が語る】インド駐在で伸びる人・ダメになる人の特徴を解説します

インド駐在で伸びる人・ダメになる人の特徴を解説します

今回はですね、インド駐在で伸びる人とダメになる人、というテーマで解説してみたいと思います。

ちょっと刺激的なタイトルになってますけど、ある意味これは自分への戒めも兼ねて少し辛口ベースで、これまで自分が経験したことと、見たり聞いたりした話を整理して、インド駐在でイタい人にならないように気を付けるべき心得・マインドセット的なところをご紹介してみたいと思います。

ストレス解消が下手なひと

まずはじめにインド駐在でダメになる人の典型パターンを紹介すると、1つ目はストレス解消が下手なひとですね。

これは中国とか東南アジアとかだとむしろ逆で夜遊びにハマってしまって、例えば、女性関係で修羅場を経験して強制帰任させられた、みたいな話はよく聞くんですけど、インドの場合はプライベートの息抜きをする場所すらなくストレスを溜めてしまって精神がもたない、っていうケースがあるんですよね。インド駐在と同時に生活環境が一変して、仕事も思うようにうまくいかず、食べたいものも食べれない状況の中で、残念ながらメンタルをやられて病んでしまう人もこれまでたくさん見てきました。なので、ストレスの原因としっかり向き合って、自分なりのストレス解消法をいくつか持っておかないと仕事にもメンタルにも大きな影響が出てしまいます。

これはインド人から学んだことなんですけど、どれだけイライラしたり感情的になったとしても「自分の機嫌は自分で取る」っていうことが大切で、私の場合は多少高くても美味しいものを食べに行ったり、あとは、筋トレをしたり、サウナに入ったり、読書をしたりして、ひとりの時間を作ってバランスを取っているような気がします。

動画を見る

日本人同士でインドをディスるタイプ

インド駐在でダメになる人のパターン2つ目は日本人同士でインドをディスるタイプですね。

日本人同士でつるむこと自体はまったく問題ないと思いますし、これがもしさっきのストレスの解消方法の1つなのであれば一定程度は仕方ない部分もあるかもしれないんですけど、ただ、インドをディスっている人ほどインド人に対するコミュニケーションが高圧的だったり、インドの文化を理解しないまま日本的な価値観や期待値を一方的に押し付けてしまっていたりする傾向があるのでそこは要注意です。

インド人って、社内で役職の高い人のことをむちゃくちゃよく見てるんですよね。役職の高い人に対してはそれ相応のリーダーシップや立ち居振る舞い・人間的な魅力を期待して観察している節があります。

日本人駐在員はインド法人の組織の中では比較的役職が高い傾向にあるので、もし駐在員が高圧的な態度をとったり、コミュニケーションの節々に相手へのリスペクトが感じられないような場合には、インド人は敏感に感じ取るわけですね。インドは日本以上に権力格差の大きい社会なので、敏感に感じ取ったとしてもそれを表には出しません。ただ、インド人との信頼関係はいっこうに育むことはできず、溝は深まるばかり。まさに因果応報。やはり人の悪口は言うもんじゃないですよね。インドをディスりたくなる気持ちはわかりますが、別のストレス解消法を考えた方が良いと思います。

インド人に同化するタイプ

インド駐在でダメになる人のパターン3つ目はですね、インド人に同化するタイプですね。

これはさっきのインド人をディスるタイプとは真逆なので、もしインド人に対するリスペクトから来ている同化なのであればむしろ良いことなのかもしれないんですけど、ただインド社会に溶け込みすぎて極端にインド人に同化してしまっている人ほど、いつも打ち合わせに遅れてきたり、報告期日を守らなかったり、最終的には日本の仕事のやり方をディスっていたりして、日本本社と敵対的な関係をつくってしまっている傾向があるのでこれも要注意です。

これは私も思い当たる節があるので気をつけなきゃなーと思っているんですけど、駐在員として期待されている役割を放棄してしまっては、本末転倒。どうすればインドと日本の橋渡し役をになえるか、これは本当に簡単じゃないんですけど、簡単じゃないからこそあなたが駐在員として選ばれているはずなので、このインドと日本の違いにどうすれば橋をかけることができるか、という大きな課題に真正面から向き合っていきたいところですよね。

さて、ここまでインド駐在でダメになる人のパターンを解説してきました。
他にもいろんなパターンがあると思いますので、もしこんな人もダメだよねーってパターンがあればぜひコメント欄で教えていただけると嬉しく思います。
それではここからはですね、インド駐在で伸びる人について解説していきたいと思います。

インド駐在で伸びる人

インド駐在で伸びる人は、例えばこんな感じでいろんなタイプがあるんですけど、その全てのタイプの土台にあるのが「好奇心」と「異文化理解力」です。

文化的背景が違う人たちと一緒に仕事をすることに対する好奇心と、異文化に対する理解力、いわゆるCQ(Cultural Intelligence)の基本要素ですね。CQっていうのは、知能指数であるIQ、心の知能指数であるEQ、これに加えて3つ目の知性として重要視されているもので、このCQをどうやって開発していくかが、いろいろなグローバル組織でもテーマになっていて、GoogleやStarbucks、Coca Cola、ハーバード大学などでも積極的に取り上げられています。

これまでインドに駐在されていたいろいろな駐在員の人を見てきたんですけど、ひとつ言えることはこのCQが低い人、さらには、インドという国に対する適性がない人、相性が悪い人を駐在員として選んではいけない、ということです。これはインドで事業を行ううえで企業が知っておくべきもっとも重要なことです。

そもそもインドで事業をする企業にとっても、インドに赴任をする駐在員個人にとっても、お互いが不幸にならないようにするために知っておくべき論点、つまり、インド駐在員としての適性をインドに赴任する前に評価しておく必要があるということです。この評価方法についてはいろいろな選択肢があるとは思いますけど、例えば、世界的権威のオランダの社会心理学者ゲールト・ホフステード氏が開発したCWQアセスメントや、異文化意識の発達レベルをプロファイリングできるツール等を活用することができます。

弊社関連会社INDIGITALでは、この3名がCWQ認定アソシエイトの国際資格を持っておりまして、例えば、企業様の駐在員候補人材にCWQアセスメントを実施してその結果に基づく分析をしたり、駐在員がインドに赴任する前にCQに関する実践トレーニングを実施することで、事前に異文化理解力・CQを高めていただくこともできますので、ご興味ある方はぜひ概要欄からお問い合わせをいただければと思います。

CQが高まると、文化の違いを客観的に理解できるようになるのでインド人とのコミュニケーションにおいて生じがちな過度なストレスを軽減させることができますし、文化の違いをメタ認知できるようになると、感情的になってしまったときの自分への対処法や、状況を好転させるための戦略や行動力が変わってくるのでインド駐在期間中のパフォーマンスにもプラスの影響を与えることができるようになります。

少し話が脱線してしまったので元に戻して、インド駐在で伸びる人について解説していきますね。

違いを楽しめる人

インド駐在で伸びる人の特徴1つ目は、違いを楽しめる人ですね。
自分自身をノーマルで常識的であると考えている人ほど、自分と違うインド人の考え方を、アブノーマルで間違っていると捉えてしまう可能性があるんですけど、インド駐在で伸びる人っていうのは好奇心をもってこの違いを楽しめる人です。こういう人はインドでは強いですね。例えば、私がインドで経験した採用面接の時の話をすると、候補者が面接に裸足で来たり、お父さんを面接に連れて来たり、30センチぐらいの髭ボーボーだったり、、、後から聞くと、すべて宗教的な理由でそうなっていたりするんですけど、まーとにかく想像を遥かに超えてくる多様性の国インドは、みんな違っててあたりまえ、そんな状況にいちいちストレスを抱えていては精神が持たないわけですね。

想定外を受け流せる人

インド駐在で伸びる人の特徴2つ目は、想定外を受け流せる人です。
日本人はワーカホリックと言われるほどによく働き、時間をかけて作った計画や、設定した目標・納期に対するコミットメントが世界的に見ても異常なほどに高い国です。一方で、インドではとにかく想定外の連続。仕事に対する品質も、時間や期限に対する感覚も、仕事とプライベートに対するバランスも日本とはぜんぜん違うんですよね。さまざまな理由をつけては期限に間に合わなかった言い訳をしてくるのは当たり前ですし、家族行事や親戚の病気などで仕事が後回しになることも日常茶飯事。社用車のドライバーやデリバリーをしてくれる配達員、メイドやセキュリティのおっちゃんなども含めて、日本の常識が通用しない本当にいろんな所得層の人たちともお付き合いをします。何回やっても書類のアップロードとか送金がエラーになるクソみたいなシステムもたくさんあるのでとにかく大変です。もちろん目標達成・納期厳守は大切なんですけど、想定外の事態が発生した場合には「今度はそうキタカ」っていう感じで、自らノリツッコミを入れて笑い飛ばせるぐらいじゃないと精神が持たないんですよね。インドに住んでいる日本人って関西人が多い、っていう話をよく聞くんですけど、ある種こういったノリツッコミが当たり前にできる関西人とインドとの相性は実はいいんじゃないかと感じます。

慎重に行動して、大胆に決断できる人

そして最後、インド駐在で伸びる人の特徴3つ目は、慎重に行動して、大胆に決断できる人です。
これは駐在員あるあるかもしれませんが、駐在員って日本では中間管理職としてやってきたような人が、インドでは現地法人の社長として仕事をしているケースも多くて、すべて自分で決断をしなければならない状況ってよく起こるんですよね。例えば、税務当局から多額の追徴課税を要求されたけど、裏金を払えば見逃してやると提案された、とか、社員がストライキを起こして給与の引き上げを要求してきたが、早く生産を再開しないと顧客との契約不履行になってしまう、とか。どっちを選んでも地獄だけど、どうするかをすぐに決断しないといけないっていう状況がよく起こるわけです。ナンバー2としてはむちゃくちゃ優秀だったとしても、こういう正解がない問いに追い込まれたときに自分で決められないタイプだと難しい。慎重に行動しつつも、スピード感をもって大胆に決断できる人はインドでは強いと思います。そのためにはインド駐在員が一定の意思決定権限を持っておくことも大切ですし、本社からの圧倒的な信頼を獲得しておくことが重要です。即断即決を迫られたときに本社からの承認・稟議手続きを待っていては遅い、ということが起こり得るので、例えば、社長直轄で意思決定ができるルートを確保されている駐在員や、極論、事後報告であっても本社からの理解を得られるだけの信頼を普段から積み重ねている人はむちゃくちゃ強いですね。

さて、本日はインド駐在で伸びる人とダメになる人、というテーマで解説いたしました。将来インドに赴任する可能性がある人や、現在インドに駐在中っていう方もぜひ参考にしていただると嬉しく思います。

動画を見る