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見ないと損する!ルピー建口座を持つ日本人駐在員が絶対に知っておくべき注意点7選!【インド進出】

ルピー建口座を持つ日本人駐在員が絶対に知っておくべき注意点7選!

今回はですね、インドにルピー建の銀行口座を開設した日本人駐在員が絶対に知っておくべき注意点について解説してみたいと思います。

最近インドに駐在される日本人が増えてきていますが、インドでもらった給料がなぜか日本に送金できなかったり、突然口座が凍結されたり、日本に海外送金したら20%も税金が取られたっていう人もいて、いろいろと不安に感じている方も多いと思います。

そこで今回の動画では、日本人駐在員がインドで銀行口座を開設したら知っておくべきポイントの中から、特に重要な7つを厳選してその注意点・落とし穴について解説してみたいと思います。

インドに赴任すると生活の立ち上げのためにやるべきことがたくさんあるんですけど、その中でももっとも重要なことが銀行口座の開設です。ルピー建ての口座開設が完了して、ようやくルピーで給料を受け取れるようになって、デビットカードも発行されて、電子決済システムUPIも使えるようになると、なかなか落ち着かなかったインド生活も一段落、一気にインドでの生活が楽になります。ただ、実はいくつか知っておくべき落とし穴があるので要注意です。ちなみに、インド赴任前に知っておくべきことについてはこちらの動画で詳しく解説していますので、興味ある方はぜひ見てみてください。

それでは7つの注意点・落とし穴についてひとつひとつ見ていきましょう!

1. 帯同家族の銀行口座

1つ目の落とし穴は帯同家族の銀行口座です。基本的に外国人駐在者は帯同家族とのジョイント口座をつくれないケースが多いんですけど、帯同しているご家族専用の口座を作ろうとすると配偶者のPAN番号を取得する必要があります。つまり、駐在員の口座はできても、配偶者の口座がなくて生活がむっちゃ不便、っていうことが起こるんですよね。配偶者の方が別途PANを取って新たに口座を開設する形でもいいんですけど手続きに時間がかかってしまう可能性もあります。

また、もし駐在員が口座を2つ持っていたとして、その片方のデビットカードを帯同家族にそのまま渡すというやり方もありですが、支払の都度入力が必要となるOTPというワンタイムパスワードが駐在員の携帯に飛んでしまうので、帯同家族は支払をするたびに駐在員からOTPを共有してもらわなければならなくなって、これはこれで不便です。なので、もっとも良い実務的な方法は駐在員が口座を2つ開設して、駐在員ご本人と配偶者それぞれの携帯番号を別々に紐づけることで、OTPの問題を解消するという方法がもっとも現実的な解決策かな、と思います。このあたりは金融機関によっても対応が異なるケースが散見されるのでぜひお取引をされている金融機関に相談してみてください。

2. FRRO外国人登録の有効期限

2つ目の落とし穴はビザやFRRO登録の有効期限です。FRROっていうのはForeigners’ Regional Registration Officeの略語で、インドに長期滞在する外国人が登録すべき外国人専用の住民登録みたいなものなんですけど、銀行口座を開設するときに提出するいろんな書類の中に、このFRRO登録の証明書、いわゆるRegistration Certificate(RC)やResidential Permit(RP)などの書類も提出するんですよね。

仮にビザが有効だったとしても、このFRRO登録の期限が切れちゃうと即日銀行が凍結されてしまいます。私も何度かやっちゃったことがあるんですけど、口座が凍結されると、当然キャッシュを下ろせなくなって、デビットカードもUPIも使えなくなるのでいきなり生活に困窮することになります。インドでは国際クレジットカードが使えない店舗も結構多いですし、口座が凍結すると最悪友達にお金を借りて生活する、なんてことにもなりかねないので、ご自身のビザやFRRO登録の有効期限はつねにチェックしておきましょう。

3. KYCアップデート

3つ目の落とし穴はKYC documentsのアップデートです。KYCとはKnow Your Customerの略語で、KYC documentsっていうのはいわゆる本人確認書類のことを指すんですけど、通常はID proofとしてパスポートを、Address proofとしてFRRO登録の証明書やインド版マイナンバーであるAadhaarカードを提出したりします。そして、金融機関から定期的にこのKYC documentsを再提出しなさい、といったSMSやメールが届いたりすることがあるんですけど、金融機関からのメールは結構頻繁に届くので、その中に埋もれてしまいがちで、うっかり見逃してしまうことがあるんですよね。

さっきのビザやFRRO登録の有効期限と比べると多少の猶予期間はありますけど、メールに気づかずに放ったらかしになっていると気がついたら口座が凍結されてしまう、なんてことにもなりかねません。私はこれも何度かやっちゃっいましたけど、ぜひ気をつけていただければと思います。このKYCアップデートはスマホアプリからでもできる場合もありますけど、もし分からなければ迷わずお近くの支店窓口に突撃されることをおすすめします。

4. 定期預金や投資信託などを通じた運用

4つ目の落とし穴はインドルピーの運用についてです。日本人駐在員の方は、日本とインドそれぞれで日本円とインドルピーの給与を受け取っている方が多いと思いますけど、インドルピー建の給与割合が多い人ほどインド側で資産運用をしているケースも多いと思います。

例えば、年利6%ぐらいの利息がつく定期預金に預けたり、利回り10〜20%ぐらいで運用できる投資信託に投資したりしている人もいらっしゃると思います。ここで注意が必要なのは日本への海外送金です。インドルピー建の給与割合が多い人ほど、定期的に日本に送金をしている方もいらっしゃるのではないかと思いますが、大前提として日本人駐在員はインド国内で受け取ったルピー建の給与については、手取り給与金額を上限に日本の個人口座などに自由に海外送金することができます。ただ、定期預金や投資信託などで運用をすると、その運用した資金については当該課税年度において海外送金ができなくなるというルールがあります。

私なんかはインドで起業して給料は全額インドルピーでもらっているので、まさに定期預金や投資信託で運用していたんですけど、最近までこのルールを知らなくてですね、いざ日本に送金しようと思ったら何回やっても銀行に拒否される、という事態になってむちゃくちゃ焦りました。なので、インド側の貯蓄として運用するのであればいいんですけど、日本に送金する可能性のある資金については課税年度ごとに海外送金ができる上限金額を把握しながら運用されることをおすすめいたします。

5. 引き出し上限や海外での利用制限

5つ目の落とし穴は利用金額の制限や海外での利用制限についてです。口座開設が完了して、いざATMから引き出そうとしたらなぜか10,000ルピー以上引き出せない、カードで支払おうとしたら50,000ルピー以上は支払えないみたいなことが起こるんですけど、その原因の典型例がATMからの引き出し上限金額とかカードの利用上限金額が勝手に設定されてしまっているっていうパターンです。

例えば、インド国内大手金融機関ICICI銀行のスマホアプリだと、この「Services」から「Card Service」の中にある「Manage Debit Card Limit」に行くとATMからの引き出し上限やカードの利用上限金額を自由に設定できるようになっているのでぜひ確認してみてください。あと、カードにタップマークがついているのになぜかタップで支払ないときとかも、同じ画面の下の方に行くと「Tap and Pay」をオン・オフできる機能があったりするのでこちらも確認してみると良いと思います。

さらに、海外旅行に行ったときになぜかDebit Cardが使えなかった、っていう話もよく聞くんですけど、これも上のタブの「International」に行くと同様にATMの引き出し上限や、オンラインでのカード決済など自由に設定ができるようになっています。金融機関によってもスマホアプリの機能は違うと思うので一概には言えないですけど、自分が知らないうちに勝手に利用制限がかかってしまっている可能性があるのでぜひ一度確認してみると良いと思います。

6. 海外送金したら20%も課税される?

6つ目の落とし穴は、海外送金をしたら20%も税金が取られるらしい、という嘘のような本当の話です。これ、インド所得税法第206C条1G項に規定された比較的新しい法律なんですけど、2023年10月以降に適用されていてですね、年間70万ルピー以上の海外送金を実施した個人は、70万ルピーを超える部分に対してTCSという源泉所得税が20%も徴収される、つまり税金が勝手に個人口座から引き落とされるという通達が発表されたんですね。

海外に送金しただけで20%の税金が取られるってちょっとあり得ないですよね?私が実際に使っているいくつかの銀行や、その他地場の大手金融機関にも確認してみたんですけど、結構見解が分かれているようです。ある金融機関はこの税金は「インド永住者(Parmanent Resident)」にのみ適用されるものなので、永住権を持たない私たちのような外国人駐在員は対象外という見解を持っています。実際に私も毎年日本に70万ルピー以上海外送金しているんですけど、今のところ幸いにも税金は一切徴収されていませんが、他の銀行を利用されている駐在員の方が20%の税金が取られました、という人もいたので、金融機関によっても見解・対応が分かれているので注意が必要です。

こういう状況を鑑みるとですね、お取引されている金融機関に直接確認するか、もしくは、確定申告を依頼している会計事務所などに26ASやTISといった税務当局ポータルから入手できる源泉徴収票のような書類をダウンロードしてもらって、課税年度においてTCSが徴収されていないかどうかをチェックしておくと良いと思います。

このTCSは個人所得税を前払いしている、という性質のもので、最終的には精算されるので、個人が負担すべき所得税の総額が増えるわけではありません。ただ、日本人駐在員のケースだと、手取り保証の仕組みをベースにインド側で発生する個人所得税はすべて会社が代わりに負担することになっているケースも多いと思います。この場合、万が一駐在員の個人口座からTCSが徴収されてしまった場合には会社からその分を返金してもらう必要があると思いますので、会社の経理部門に確認してもらうのが良いと思います。

7. 帰任時の口座管理方法

最後7つ目の落とし穴は駐在期間が終わって日本に帰任するときの口座管理方法です。帰任が決まった場合、基本的にはインドの口座に残っているお金を日本に送金して口座を閉じるのが一般的なんですけど、原則、FRRO登録が有効な期間中は帰任後であっても口座が凍結されることはなく、引き続き口座を維持することはできますし、もし仮に帰任になっても、就労ビザからビジネスビザに切り替えて引き続きインドに出張ベースで来られている方がインドの口座をそのまま維持して使い続けている、っていうケースは時々聞きます。ただ、出張ベースになると、駐在員時代にインド現地法人から毎月受け取っていた給与の振り込みがストップしてしまうので、銀行にインド在住者ではないと認識をされて、給与明細の提出を求められたり、非居住者口座に切り替えるように指摘を受けるケースがあると聞いています。

ただ、この非居住者口座も口座を維持しなければならない何らかの目的がある場合に認められるもので、例えば、税金の還付を受ける必要があるとか、残金を日本に送金するまでにもう少し時間が必要、などの特定の目的を前提に非居住者口座への切り替え手続きができる形になっているので、その目的が実現した時点で速やかに口座を閉じることがセットで手続きを実施することになるケースが多いのですが、こちらも銀行によって対応が異なるようなのでぜひお取引をされている金融機関に相談してみてください。

皆さん、いかがでしたでしょうか?今回は、インドにルピー建口座を開設した日本人駐在員が絶対に知っておくべき注意点を7つ解説をいたしました。インドに住む日本人駐在員やインドに進出を検討されている方はぜひ参考にしていただけると嬉しく思います。