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週刊インドトピックス

Vol.0161 蓮の魔法:マニプールの女性起業家が織りなすエコファブリック革命”

マニプール州の女性起業家、ビジヤシャンティ・トンブラム氏は、自宅近くのロクタク湖で豊富に見られる蓮の茎から繊維を抽出し、スカーフ、マフラー、ストール、ネクタイなどの製品を織り上げることで成功を紡いでいます。彼女が立ち上げたベンチャー企業「サナジン・サナ・タンバル」は、特に地方の女性に就業機会を提供していることが評価され、インドのナレンドラ・モディ首相によって二度も言及されました。

ビジヤシャンティ氏は元々植物学を専攻しており、蓮の茎から繊維を抽出し、それを用いた製品を作るアイデアを2017年に思いつきました。研究を重ねた結果、蓮の茎は非常にエコフレンドリーな素材であり、自然に優しく、しわになりにくい布地を生み出すことができることがわかりました。

 

このプロジェクトは地元の女性たちにとって収入源となっています。ビジヤシャンティ氏は、蓮の茎から繊維を抽出する方法を彼女たちに教え、その繊維を用いて製品を織る地元の織り手とも協力しています。現在工場では、30人の女性と2人の専任の織り手が所属しており、彼女たちは月に7,000ルピーから12,000ルピーの収入を得ています。

 

しかし、蓮の茎から繊維を抽出し製品を作る過程は時間がかかるため、製品の価格は比較的高価です。例えば、スカーフ1枚を作るのに2カ月かかり、価格は18,000ルピーから始まります
茎は採取してから長期間保存しておくことができず、加工にも時間がかかるため、最近ではテキサス州からの大口注文を断らなければいけませんでした。

 

彼女の取り組みは、North East Entrepreneurs Fundやアッサム農業大学からの支援も受けており、将来的にはより多くの注文に応えられるよう事業の拡大を目指しています。

 

Source:蓮の茎で織る未来

 

ビジヤシャンティ氏の取り組みは、地方の女性に新たな機会を与えるだけなく、環境に配慮した持続可能なファッションを生み出している点が画期的だと感じます。
自分の強みと興味を掛け合わせることで、一見些細なアイディアからこのような大きなイノベーションを生みだしている姿勢は見習うべきことが多くあるように思いました。

(文責:大森太郎)