インド就職って稼げるの?給与と年収、生活費の実態を暴露します【インド駐在】
インド就職って稼げるの?給与と年収、生活費の実態を暴露します
今回はですね、インド現地採用の実態について、年収や生活水準、キャリアの観点からのインド就職の光と闇を暴露していきたいと思います。
私自身も現地採用経験者として、そしてインドに移住をしてからこれまでの13年間で現地採用で働くいろんな日本人の生活や仕事内容、その後のキャリアの変化を見てきてですね、インド就職の魅力やメリット・デメリットは誰よりも理解しているつもりなので実際の事例をもとにインド現地採用の実態を赤裸々に話していきたいと思います。
なぜインドを選んだのか?国選びの視点
海外で働こうと、そう決めたとき、どの国を選ぶかはキャリアと人生を大きく左右しますよね。例えば、私がインドを選んだ理由は主に3つでした。
1つ目はとにかく経済成長が期待できる国で働きたい、ってことですね。平均年齢が20代とまだ若くて、かつ、人口大国であるインドに身を置くことで、時代の流れ、時流に乗ることができるんじゃないか、長期スパンで勝負ができるんじゃないかと考えました。正直、私がインドに移住をした2012年から10年ぐらいは特に時流と言えるような流れは来ていなかったんですけど、ちょうど2024年ぐらいからおおきな流れが来ていて、ようやくインドは転換期を迎えはじめているので、インドに来るなら今でしょ、と思っています。
2つ目は英語で仕事ができる国で働きたい、ってことです。日本語しか使わない環境だと日本でしか通用しない人材になってしまいますけど、英語が当たり前の世界に身を置くことで、自分の中にある仕事観や人生観をグローバルな視点で見つめ直すことができて、かつ自分自身の仕事力をよりニュートラルに評価できるんじゃないかと考えました。実際、この点は大いに意味があったと感じていてですね、自分の能力の低さを痛感させられることもありますし、逆に英語に対するコンプレックスを払拭できたり、自分の強みがどこにあるのかをより客観的に認識ができるようになって以前よりも多少は自信を持てるようになったという側面もあったりします。
3つ目は日本人が少ない国で自分の市場価値・希少価値を高めたいってことですね。
例えば、アメリカには約42万人、中国やオーストラリアには約10万人の日本人がいますけど、インドには1万人もいません。
アメリカや中国でナンバーワンの日本人になるのは難しくても、インドだったらその可能性を引き上げられるかもしれない。決して優秀ではない自分が勝つための弱者の戦略として、敵の少ないインドはぴったりだと思ったわけです。ランチェスター戦略と言えば響きはいいんですけど、正直その当時は自分自身の自信さえもなかったので戦略というよりはシンプルに日本人の多い国から逃げてきた、といった側面が強かったように思います。
インドの求人動向と業界・職種の傾向
ちなみに、インド就職の何よりの魅力は、2025年現在においてはまだ未経験でも飛び込めるポジションが比較的多いっていうことと、かつ、大手企業に就職できるチャンスもあるところだと思っていて、キャリアの再構築ができたり、海外人材としての固有な価値とともに職務経歴書に箔をつけることができる、といったメリットがあると考えています。インド国内には1500社近くの日系企業が進出していて、他の国と比べても比較的まだ大手企業の割合が多いんですけど、日本人駐在員の数は結構少ないんですよね。また、自ら手をあげてインドで働くことを選択する日本人もまだまだ少ないので、日本人現地採用ポジションの募集要項を見ているとあまり多くのスキル・経験を求めないケースも多くて、ポジションによっては未経験でもOKとする企業さえあります。なので、新しい仕事を始めたいっていう人やキャリアを再構築したい人、あと、新卒では中小零細企業に就職したものの大手企業での勤務経験を積んで職務経歴書に箔をつけたい、といったケースにおいてはインド就職は特におすすめです。
ちなみに、業界別の求人動向としては、全体の約40%近くが自動車を中心とした製造業、残りの約60%が商社や物流、日系企業向けの各種サービスプロバイダーなどが求人の中心になっていて、職種別では営業職が約40%、事務職が約40%、そして、専門スキルを必要とする技術職が残りの20%というイメージです。
具体的には、現地採用として20代でインドに渡航して、大手日系商社の管理部門で貴重な経験が積んでいる方や、他にも日系、外資系大手企業で、日本では入社するのが難しいような会社でも、インドでは募集に対して応募数が多くないので、超一流企業への転職を実現させて、やりがいを持って就業している方も私の周りではよく見かけます。
あと、インドで現地採用で働いた後にインドで起業する方や、最初は駐在としてインドに赴任して、定年後に現地採用としてインドで引き続き働く方や日系・外資系企業のアドバイザーとして現地採用のポジションに切り替える方もいらっしゃいます。働く場所にもよりますけど、日本人が多く住むデリー・グルガオン、バンガロール、チェンナイ、ムンバイあたりであれば、ある程度の日本人向けのサービスもそろってきているので、ある程度の不便はありつつも生活は基本的に問題ないと感じる人が多いと思います。あと、日本よりも仕事のスピード感が早くてですね、より経営に近い立場で働くことが出来たり、社長直轄で仕事ができるケースも多いので、日本よりもインドの方がやりがいがあって、かつ、のびのびと働けると感じている方は意外に多いんじゃないかなーと感じています。
インド特有のキャリアアップ成功事例
ちなみに、インド就職で箔をつけるだけじゃなくてですね、こういった現地採用で得た経験というのは、日本でもダイレクトに評価されるケースは多いので、インドで何年か働いた後に一気にキャリアアップを実現された方もたくさんいらっしゃいます。なので、ここでは、インド現地採用での就業経験を通じて、市場価値を大きく高めた成功事例を3つご紹介したいと思います。
1つ目は、インド就職→ 帰国後に大手企業への転職 → 海外駐在っていうパターンですね。
つまり、インド現地採用ポジションでの実務経験とそこでつちかった英語力を武器に、帰国後に国内の大手企業に転職をして、その後、東南アジアなど他の国に今度は駐在員として赴任するパターンですね。
2つ目は、インド就職 → 本社採用 → 駐在員としてインドに再赴任っていうパターンですね。
現地採用としての実績が評価されて、インド子会社から日本本社採用に切り替えてもらい、駐在員として再びインドに再赴任をして、同じ会社内でより高いポジションで活躍するパターン。
そして3つ目はインド就職→国内転職で新しいキャリア構築をするパターンです。
インドでの就業経験は幅広い領域を任されるケースが多くて、特に事業の立ち上げ初期フェーズですと他の人がなかなか得られないような経営に近い立場での貴重な経験を積むことができるケースも少なくありません。こういった幅広い経験の中から自分がもっと専門性を高めていきたいと思った領域において、インド国内で専門のコンサルティング会社に転職をしたり、事業会社の専属部門に転職をしたり、場合によっては自ら起業するパターンもときどき見られます。インド市場の成長性と、現地で培った実務経験が大きな武器となって、インド国内市場における転職はどんどんしやすくなっていきますし、日本市場や他の海外市場でも通用するビジネスリーダーとして飛躍できる可能性に秘めているのがインド就職の魅力だと思います。
インド現地採用の平均給与水準
さて、ここからはインド現地採用の給料ってどれぐらいもらえるのかを暴露していきたいと思います。日本人がインドで現地採用として働く場合には、まず就労ビザ(Employment Visa)を取得するための最低給与基準を満たす必要があるんですけど、それが年収162万5,000インドルピー(日本円でざっくり年収300万円ぐらい)になっていて、最低限これを満たす形で、職種・経験別の給与相場のイメージとしてはこんな感じになっています。
ちなみに、インドでは年収のことを「CTC(Cost to Company)」という総額で表記するのが一般的です。CTCっていうのは会社が負担をする人件費総額という意味合いなので、日本で言うところの社会保険料の会社負担部分もCTCに含めて提示される形になります。なので、手取り金額を計算しようとすると、CTCの金額から税金と社会保険料の本人負担部分に加えて、さらに社会保険料の会社負担部分も差し引いた金額が手取りになるので、この点は事前に理解をしておく必要があります。ちなみに、日本とインドは日印社会保障協定を締結していて、駐在員であれば日本側で引き続き社会保険に加入しているのでインド側では社会保険に加入する必要はないんですけど、現地採用の場合は日本側で社会保険に入っていないケースがほとんどなので、逆にインド側ではPFという社会保険(日本の厚生年金のような制度ですね)これに加入する必要があって、本人負担分と会社負担分両方合わせてざっくり24%が差し引かれることになるので結構インパクト大きいですよね。ただ、このPFは積立基金になっているので退職をした時に年利8%程度の利息と合わせて還付金としてまとめてを受けとることができるので、将来への貯蓄として毎月自動で積み立てて、インドで高金利で資産運用をしている、と考えれば意外に悪くないかなと思います。
インド就職のポイント:語学力と柔軟性
インドはヒンディー語でしょ?というイメージを持っている人も多いかもしれませんけど、ヒンディーが話せるインド人は全体の4割ぐらいです。むしろインドは100を超える言語があると言われている多言語国家で、実際にインドの紙幣にもこんな感じで公用語として17言語が記載されていて、もはやどれが何語なのか私も把握できていないんですけど、特に南インドでは州ごとに言語が違うのでインド人同士なのに現地語だと会話が通じないわけですね、なので、ビジネスの共通言語は完全に英語になっています。そして、インド国内では英語ができるかどうかがその人が受けた教育レベルを間接的に表しているとも言えるので、英語ができない場合、社会的ステータスが低い人と見られる可能性さえありますし、逆に言うと、専門性がなくても英語力があれば一目を置いてもらえる可能性さえあります。なので、まずはビジネスの現場で使える英語力を高める努力をすること、そして、英語力をフックにインド国内で幅広い業務経験を積んで、その中から自分自身の専門性を徐々に磨いていくというのがインド就職で成功をするひとつの勝ちパターンかなーと考えています。
実際にインド国内求人の日本人現地採用ポジションの募集要項を見ていても、役割分担が曖昧なポジションも多いですし、むしろ幅広い業務に携わりながら自分で考え、動ける人が重宝される傾向にあるので、自分でキャリアを切り拓く意欲がある人にとっては結構大きなチャンスですよね。特に、インド勤務経験者が少ないからこその希少価値とともに、良くも悪くもインド専属の人材として重宝されていく可能性もあるので、インドにベットして中長期でやっていく覚悟がある人はかなりこれからむちゃくちゃ面白いフェーズになっていくと思います。一方で、これは自虐ネタですけど、インド専属人材となった結果、私みたいになかなかインドから離れられないみたいなパターンに陥る可能性もあるのでインドでの生活や仕事との相性はむちゃくちゃ大切ですね。
インドでの生活費サンプル
最後に現地採用の人がインドでどのような生活をしているのかを実際の生活環境を紹介しながら見ていきたいと思います。正直、まともな生活ほんまにできるんかなーとか、お金たまるんかなーと不安に思っている人もいるかもしれないですけど、意外にしっかりと貯金もできて、高金利の資産運用もできるので心配無用です。
まずは家賃相場から見ていきたいと思いますけど、現地採用の人が住む家はだいたい月額3〜4万ルピー(日本円で5〜7万円ぐらい)のところに住む人が多いかなーという印象です。例えばここはベンガルール市内のアパート、家賃は4万ルピーで、間取りは2BHK、日本でいうところの2LDKみたいな間取りですけど、広さは140平米ぐらいあるので日本よりもかなりゆったりしていますよね。ここはキッチンで、こんな感じでひとつの部屋として区切られているタイプが結構多いかなーと思います。インドのアパートの特徴としては、玄関開けたらいきなりリビングになっているところとか、ベッドルームそれぞれにトイレとシャワールームがついているところとかが日本とは違うところかなーと思います。
食費については基本的に自炊をすればかなり安く抑えられると思います。ここはベンガルールにあるLulu Hypermarketというスーパーですけど、野菜は基本的にむちゃくちゃ安いです。玉ねぎもじゃがいももトマトもキロ当たり50〜100円ぐらいなのでむちゃくちゃ安いですよね。
卵とかも6個パックで70ルピー(100円ぐらい)なので日本の半額ぐらい、例えば鶏肉とかキロあたり300〜400円ぐらいなのでこれも日本の半額以下だと思います。シーフードは魚の種類によって値段がピンキリで、サーモンとかタイガープラウンなどのサイズの大きいエビとかはむっちゃ高いんですけど、マナガツオとかサワラとかインド料理でも比較的よく使われるような魚はかなり安く手に入りますし、ベンガルールだとあさりなどもむっちゃ安く買えるので食生活のバリエーションは工夫次第でいかようにでも楽しめるかなと思います。ただ、外食は結構高いんですよね、日本食レストランなどに行って食事しながらビール飲んだりするとひとり5000円ぐらいはすぐにいくので、外食頻度についてはお財布事情とよく相談する必要があるかな、というイメージです。
UberやAutoでの市内移動は比較的安価でどこにでも行けるので便利ですし、市内の一部エリアを走っているメトロも50〜100円ぐらいである程度移動できるので、そんなにお金はかからないと思います。これはベンガルール市内のメトロ、Indira Nagar駅のコンコースですけど、こんな感じで自動改札を通ってホームに行って電車に乗るわけですけど、結構キレイですよね。自宅やオフィスがメトロ沿線にあると生活はかなり快適になるのでおすすめです。
なので、ざっと1ヶ月の平均的な生活費を試算するとこんな感じになるんじゃないかなーと思います。
ざっくり1ルピー=1.7円ぐらいで計算すると、毎月の給料が20万ルピーの人だと、手取りが14万5,000ルピー、ざっくり25万円ぐらいが手取りになるんですけど、
結構外食をしたとしても、5万ルピーぐらい、8万円ぐらいは毎月貯金できる計算で、しかも退職したときに年利8%程度の利息付きで積立金も合わせて一気に戻ってくることを考えると、それなりに余裕を持った生活はできますし、インドで生活をしながら、インドを拠点に海外旅行を楽しんでいる人も多くて、これが結構よかったりするんですよね。特にスリランカやモルジブ、東南アジア、中東などに旅行に行く拠点としてはインドの立地は意外に良いので、お金を貯めて旅行に行く楽しみも増えますよね。
さて、皆さん、いかがでしたでしょうか?今回はインド現地採用の生活や仕事・キャリアの実態について解説してみました。インドへの移住や海外就職を検討されている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。