Vol.0023 インドの“ニューノーマル” インド鉄道がQRコード搭載を発表。非接触型へのパラダイムシフトの行方はいかに?
インドの鉄道に接触機会の低減へ向けQRコードの導入
インド大手経済メディアのThe Times of India社の2020年7 月24日付報道によると、不要な接触を避けるために、今後インド国内全ての列車乗車券にQRコードが搭載されるようです。オンラインでチケットを購入する場合はもちろん、駅で直接チケットを購入する場合も購入後QRコードを入手できるリンクがSMSで送られることで、乗車前のチケット確認が無人でできるようになるとのことです。
インド鉄道省の総裁(Chairman)V K Yadav氏によると、2020年8月よりインド鉄道ケータリング・観光会社(IRCTC:Indian Railway Catering and Tourism Corporation)のウェブサイトもAIを導入することで、目的地までの最新の運行スケジュールや乗換案内などを含む正確な情報をより早く入手することが可能になるようです。なお、現在インド鉄道は新型コロナウイルスの影響で通常より本数を制限して運行しています。
インドのさらなる発展に向けインターネット人口の増加が課題
新型コロナウイルスの蔓延であらゆる場面において人との接触を避ける工夫が行われています。これまで人の手で行われていた仕事が経済成長とともに機械にとって代わられてきたのと同様に、コロナ禍の影響で電子化・オンライン化がさらに進み、接触型のサービスが非接触型の様々なソリューションによって取って代わられ始めています。
ここ10年ほどでAIというワードをよく耳にするようになり、自動化される仕事、今後消える職業など長期にわたって話題になっていますが、今回の新型コロナウイルスの蔓延によってコンピューターの技術革新の凄さを再確認させられたように思います。これまでデジタルとは無縁だと考えていた人もそうは言っていられない、ということに気づき始めたのではないでしょうか。
ICT(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)の進歩は人々の生活をより効率的に快適にしてくれます。しかし同時にデジタルデバイド(情報格差)という問題がでてきました。特にインドではインターネット人口が世界第2位でありながら、インターネットにアクセスできていない人口が約7億人いると推定されています。前代未聞のウイルスのパンデミックはデジタルデバイド、そしてそれに伴う貧富格差を加速させたように思います。
現在インドでは国全体でインターネット人口を増やす取組みをしています。インド政府は現在「デジタル・インディア」という政策を推進していますが、今後ますますネットインフラの整備や拡張、電子化の重要性が増すであろう社会において、インターネット人口を増やすことはその国の経済発展にも直結してくるでしょう。多くの可能性を秘めているインドで、デジタル化が国の発展にどこまで影響をもたらすのか楽しみです。
Source:インド鉄道、切符にQRコードを搭載
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