Real Estate in India

不動産

C-17 : インドの外国人向け住宅・アパートの特徴

【日本人駐在員が住む住宅の相場や一般事例】

インド国内の外国人向けの住宅については、平均2〜3年を任期とする期間限定であることから家具付きが一般的です。オーナーと賃貸借契約を締結することになりますが、家具代が含まれていることから公表される賃貸指数より賃料は高めに推移します。地域差はあるものの、日本人駐在員の一般的な予算価格帯は単身者の場合月額6〜12万ルピー(約8〜16万円)程度、ご家族向けだと月額10〜20万ルピー(約14〜28万円)前後です。(なお、現地採用の場合には給与水準が比較的に低くなるため、家賃を2〜4万ルピー(約30,000〜55,000円)程度に抑えているケースが多いと思います。)また、日本のさまざまなサービスの利便性と比べると大きく異なるインドにおいて、住宅設備の保守メンテナンスの補助を含むパッケージのサービスを利用するケースも多くなっています。具体的にはインターネットの契約料金や飲料水、ガス、ケーブルテレビの視聴料などの手配、メンテナンスサービスが含まれ、支払窓口を一つにして一括管理できる点でも楽になります。この種のパッケージサービスは月額1〜2万ルピー(約14,000〜28,000円)の費用がかかりますが、インドの慣れない住環境や習慣に対する対応や、時間の節約にもなるため、賃貸契約時のハード面と同様、重要なソフト面として幅広く利用されています。なお、住宅の種別としては(1)小規模アパート、(2)大規模高層住宅、(3)ヴィラなどの戸建ての大きく3つの種類があり、それぞれの違いについて弊社拠点があるチェンナイの事例を中心に簡単にご紹介いたします。

 

(1)小規模アパートタイプ

主に、市内中心部の高級住宅地内や閑静な住宅エリア、また、大きな建物が建たない海岸近く(ECRロード沿い)に多くあるタイプです。共用設備がほとんどありませんが選択肢が豊富で、間取りや住宅占有面積、立地、近隣環境に応じて比較的自由に選ぶことができ、日本人好みの高級物件も多くあります。

 

(2)大規模高層住宅団地タイプ

世界中でよく見られる共用設備が充実した団地タイプです。ジムやスイミングプール、子供の遊技場や広場などの施設があり、またセキュリティーゲート(Gated Community)内の敷地が広いため車の通りが少ない敷地内をゆったりと散歩したりジョギングしたりできる安心感があります。チェンナイ市内および近郊ではまだそこまで選択肢がある状況ではありません。

 

(3)ヴィラなどの戸建てタイプ

セキュリティーゲート(Gated Community)内にヴィラ風の戸建てが集まっているタイプです。海岸沿いで周辺環境の良いエリアに多く、広い庭やプール付の豪華な戸建て住宅の上階からは海が見えるケースもあり、子供が安心して遊べる点において家族連れに人気です。


 

【インドで賃貸契約時に気を付けるべきポイント】

(A)予算の事前確認

当たり前の話ではありますが、まず予算を決めてしまうことが大切です。どこの国にも素敵な住宅はあり、インドにおいても優良な物件は多々ありますが、やはりお値段も“それなり”なのです。私の感覚ではタイやマレーシアなどの東南アジアの日本人向け住宅の相場よりもインドの方が少し高い印象があります。日本人駐在員の場合であれば、会社が規定した上限家賃が決められていると思いますので、まずはその予算の範囲内の住宅しか見ない、そして、一時的な住まいであると割り切る、ということは意外に大切です。つまり、予算を超えているにもかかわらず先に優良な物件を見てしまうと、なかなか満足のいく決断ができなくなるケースが散見されるからです。

(B)備え付けの家具や家電で注意すべきポイント

チェックすべき3大家具と言えば、ダイニングセット、ソファー、ベッドです。単身かご家族帯同かによって必要なサイズや個数が変わってくると思いますが、場合によっては色合いやセンスの好みも含めて貸主に希望を伝え、交渉できる可能性もあるので確認してみましょう。次に3大家電としては、冷蔵庫、洗濯機、テレビですね。機能の容量の確認に加えて、冷凍食材を大量に保管できる業務用冷凍庫や電子レンジ、ウォーターサーバーや浄水器などが必要な場合には交渉時に伝えておきましょう。その他に確認すべきことは、各部屋にエアコンが設置されているか、バスルームの温水器(ギザ)、非常用電源のバックアップ(通常はDG:ディーゼルジェネレーター)なども確認しましょう。

(C)賃貸契約時の保証金(セキュリティデポジット)

日本人駐在員が住む物件は、一般的には当地の高級物件に該当するものが多く、賃貸契約時の保証金の支払いが月額家賃の10ヶ月分(日本の商業施設並みの水準)に達することがあります。仲介業者を通じて半分程度に交渉ができる可能性はありますが、それでも多額の保証金が発生するため事前に確認をし、会社にも認識を共有しておく必要があります。

(D)保守メンテナンス

高級物件とは言えそこはやはりインドの住宅。2〜3年と住んでいる間に水漏れや電気系のトラブルなどが発生します。この場合、面倒であっても放置せず、家主に相談したり、保守メンテナンスサービス会社に依頼するようにしましょう。なぜなら、自分の責任ではないからと多少の水漏れを放置したばっかりにフローリングを腐らせてしまったり、傷めてしまったりすると退去時にトラブルとなるからです。また、電気代の支払方法や請求頻度、入居する物件における駐車場やゴミの取り扱いなど、生活上での近隣住民におけるルール等がないかを念のため確認しておくことも大切だと思います。

(E)解約手続き

賃貸契約書に規定された事前通知日数(Notice Period)よりも前に貸主に退去したい旨を通知します。メールや文書を作成し、かならず書面で届出日と相手が確認をした旨の日付も証拠に残しておきましょう。後から「聞いていなかった」などと言われ、保証金から家賃を差し引かれてしまう事態が発生しています。なお、貸主が誠実に対応してくれないからと言って。安易に貸主と感情的にケンカをしてしまわないようにすることも大切です。イライラすることも多々ありますが、粘り強く淡々と、冷静に、コミュニケーションを取ることを心がけ、状況に応じて仲介会社の力を借りることを検討しましょう。

 

【インド国内の外国人向け住宅の探し方】

 日本人を含む外国人が住宅に期待をするポイントについては、インド人従業員やインドの不動産仲介業者には理解されにくい傾向があります。一方で、これまでに実際に日本人や外国人に選ばれてきた物件はおよそ決まっており、当地で経験のある日本人向けにサービスを提供している仲介業者に、日本人のニーズに合った物件情報が集まっています。豊富でかつ優良な物件情報以外にも、仲介業者を利用するメリットはあり、例えば、家賃やセキュリティーデポジット(日本の敷金のようなもの)などを含む大家/貸主との交渉や、インド人従業員に住所や家賃を知られなくない場合や守秘義務などへの配慮も含めて、通常1ヶ月分の仲介手数料がかかりますがその負担に見合うメリットが大いにあります。当地チェンナイで10年以上の経験を持つTS Real Estate Consultancy社を以下にご紹介いたします。

 

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竹谷 哲

京都府生まれ。大学卒業後に証券会社を経て、不動産開発会社にて10年間、東京でのマンション開発、マレーシア、グアムでのゴルフ場開発等に関わる。その後、仙台支店長を経験後に独立起業し、2007年よりインド・チェンナイ市在住。世界の不動産を見て廻り、エイブルNWニューデリー店の共同代表他、インドにて10年超の不動産業実績があり、日系企業や日本人向けに工業団地や住居などの紹介、また、不動産に関わる各種アドバイスを行う。TS Real Estate Consultancyの代表。

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Email:s.take.jat@gmail.com

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