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週刊インドトピックス

Vol.0146 スキルで繋がる!バンガロール発、スポーツ愛好者の新たな出会い

Game Theoryは、同じスポーツスキルを持つプレイヤーを見つけるためのマッチメイキングサービスを提供するバンガロール拠点のスポーツテックスタートアップです。
創業者のスディープ・クルカーニ氏は、大人になると同じスポーツの技能を持つ相手を見つけることは難しくなるといいます。この問題を解決するため、クルカーニ氏はスクルト・ゲッジ氏、サケット・ゲッジ氏と共に2018年にGame Theoryを設立しました。
同社は、バドミントン、水泳、スカッシュのプレイヤーをマッチングするサービスを提供しており、自社のスマートコート上でコンピュータビジョン技術を用いて人々のスキルレベルを測定します。従来、技能レベルは初心者・中級者・上級者と大きく分割されてきましたが、Game Theoryはプレイヤーのスポーツ技能をビデオ録画し分析することで、一歩進んだ評価を行います。現在、バンガロールの9箇所でスマートコートを展開しており、使用しているユーザーは17,000人以上います。

同社は莫大な量のデータを分析する一方で、ユーザーから提供された情報をアクセス制限のある施設に保管することでデータプライバシーも確保しています。

最近では、データ収集を自動化するスポーツアナリティクス会社Matchday.aiを買収し、マッチメイキング能力を強化しました。
Game Theoryでは、アプリを通じてパフォーマンスの追跡やゲーム、コートの予約が可能で、ソーシャルメディアに試合の録画を投稿することもできます。
また昨年10月には、Rainmatter Capitalをリード投資家とする資金調達ラウンドにおいて200万ドルのシード資金を調達しました。

インドのスポーツテック市場はまだ成長段階にあり、Game Theoryは特別なランキング機能とマッチメイキング能力で他と差別化を図っています。クルカーニ氏によると、同社は月間で500万ルピーの収益を安定して上げており、今後さらに成長が見込まれます。現在はバンガロールに焦点を当て、将来的にはバトミントンやテニスのようにラケットを使用するスポーツへとサービスを拡大する計画です。

 

Source: Game Theoryのスポーツマッチメイク革命

Game Theoryの取り組みは、スポーツを通じて新しい友人を作りたいと考えている人や、自分のスキルレベルに合った相手と競いたいと思っている人にとっては、非常に有益なものだと思います。筆者自身もベンガルールで定期的にボルダリングをしていますが、偶然にも同じレベルの友人たちと知り合えたのは、継続してボルダリングを続ける大きな理由となっています。ましてや対人競技では、自分と同程度のスキルを持った相手がいることは、その競技に対するモチベーションや楽しさと直結します。
他にも、このようなGame Theoryの取り組み取みが、人々のスポーツへの意欲を高め、糖尿病などの生活習慣病が大きな社会問題となっているインドにおいて、改善への一助となるように期待したいところです。

 

(文責:大森太郎)