India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0018 競争激化のWeb会議ツール産業についにAirtel参入。インド国民に浸透するのだろうか?

激化するインドのWEB会議ツール市場の競争にAirtelが参戦

インド国内のWEB会議ツールの競争が激化

インド大手経済メディアのThe Times of India社の2020年7月6 日付報道によると、ニューデリーを拠点としインド最大、また18の国で電気通信事業を展開しているBharti Airtel(バーティ・エアテル)は間もなく自社ブランドのWeb会議ツールのサービス開始を始めるようです。

まずは企業向けの有料サービスの提供から始め、需要をみて個人向けのサービスも検討するようです。インド国内でよく使われているWeb会議ツールにはZoom(ズーム)やGoogle Hangouts(グーグルハングアウト)、Microsoft Teams(マイクロソフトチームズ)などの外資ブランドが中心となっていますが、7月2日にはBharti Airtelの電話通信事業の国内ライバルであるReliance Jio(リライアンス・ジオ)も同様のサービス「JioMeet(ジオミート)」を無料提供し始めたばかりです。

なお、AirtelはUSP(Unique Selling Proposition:独自販売条件)を上手く活用し、最新の世界標準暗号アルゴリズムAES256といくつかの認証システムを導入することで、リモートワークで重要となるセキュリティ対策に力を入れるようです。

コロナ禍でWEB会議ツールに求められるセキュリティ強化

新型コロナウイルスの蔓延でWeb会議ツールの需要が増えていますが、同時にセキュリティ面への指摘も増えてきています。

今やWeb会議の代名詞のように使われている“Zoom”は2019年12月時点で1日当たりのユーザー数は1000万人程度でしたが、今年5月時点で3億人にまで伸びています。しかし、これまでに不審者が急にWeb会議に参加したり、ユーザー情報の流出問題などセキュリティやプライバシーの脆弱さが浮き彫りになっていました。すでに脆弱性に対するセキュリティ強化に着手しているものの、Zoomのプライバシー問題を懸念する企業や教育機関もあり、例えば、私が通っている大学でも5月末からオンライン授業が始まりましたが、主にGoogle Meet(グーグルミート)、Cisco Webex Meetings(シスコウェブエックスミーティング)の大手Web会議ツールが使われています。

インドでは今もなお新型コロナウイルスの新規感染者は増え続けており、7月5日には累計感染者数がロシアを抜いて世界第3位となりました。収束の見通しはまだまだ立たず、今後もリモートワークの重要性がさらに増していくと考えられるインドにとって国民に馴染みのあるAirtelのWeb会議ツールがどのように浸透していくのか、また同じタイミングでJioMeetを発表したReliance Jioにどのようにして対抗していくのか楽しみです。

Source:Jioに続きAirtelも自社Web会議ツールのサービスを開始予定

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