India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0085 オンデマンドで飲料水を提供するアプリを開発した『Neerwalla』

飲料水の注文・配送をする超ローカルアプリ『Neerwalla』が生まれた背景

インド最大のスタートアップメディアであるYourStory社の2021年3月9日付けの報道で、オンデマンドで飲料水を提供するスタートアップNeerwallaを取り上げています。

Neerwallaは2020年7月にPuja Tiwari氏によって100万ルピー(約150万円)の初期費用で設立されました。アプリケーションが開発された後にDeepak D氏が共同創業者として参画しています。バンガロールを拠点とするNeerwallaはモバイルアプリを通じてユーザーと近くの水販売業者を結びつけ、水のボトル、缶、タンカーをオンラインで注文・配送することを可能にしています。

Neerwallaが生まれた背景として、インドではきれいな水が手に入らないことが、問題提起されていました。都市部に住んでいる多くの人が定期的にきれいな飲み水を確保するという問題に一度は直面したことがあると思います。このことに関してTiwari氏は『私たちは、ウォータータンカーを検索して予約する際に、地域の業者との間で多くの問題に直面していた。Google以外に検索する方法はなかったが、それでも予約に関する詳細は少なかった。そこで、この問題を解決するための超ローカルなアプリケーションを開発しようと考えた。』と説明しています。

 

Neerwallaのサービス内容

業者と顧客の間のギャップを埋める 連続起業家であるTiwari氏は、このスタートアップが水に関する要求を満たすワンストップソリューションになることを目指していると説明しています。ユーザーは近くの業者とつながり、オンラインで注文できるだけでなく、ライブロケーション機能で配送状況を確認することもできます。

配達員は水販売業者に所属している人が担当しており、また、衛生面と安全性を確保するために、ISI認証を受けた水のみを提供しているとのことです。

Neerwallaは、ベンダーからの各配送に対するコミッションモデルで運営されています。配送ごとに手数料を徴収しており、平均して、月に3,000〜4,000件の配送を記録、現時点で約500のベンダーが登録しているようです。

 

Neerwallaの今後の計画

Neerwallaは、主に商業施設や住宅のユーザーをターゲットにしており、市内で開催されるイベントにも参加しています。『初年度の決算はまだ少し先だが、ほぼ損益分岐点に達している。2021年の会計年度末までに、パートナーベンダーを10倍、配信数を15に増やすことを目標にしている。また、事業を拡大するために、シードファンディングの機会を探している。』とTiwari氏は主張しています。また、2022年までにチェンナイやハイデラバードに、2023年までにデリー首都圏などほかの都市への事業拡大を計画しているようです。

同社のチームは現在、7名の正社員と2名のフリーランスのメンバーで構成されており、チームの品質チェック後に新規ベンダーはプラットフォームに登録されています。Neerwallaでは、複数の業者がプラットフォームに掲載されているため、1つの業者に依存する必要がなくなり、ユーザーはいつでも安心で安全な水を手に入れることができます。競合にはJust Pani、Tankerwala、Bookmycan、Bringjalなどの著名なプレーヤーが存在しています。

Trade Promotion Council of India(インド貿易促進協議会)の報告書によると、インドの飲料水用ボトル市場は、2023年末までに600億6,000万ドルに達し、年平均成長率は20.75%になると予想されており、Neerwallaも需要の拡大に合わせて成長することが期待できます。

私もバンガロールで生活をし始めて約2年が経ちますが、担当のベンダーに電話をしても繋がらない、電話が繋がってもウォーターサーバーを取り換えに来てくれるまでに数時間かかることも多く、その間外出することができないなど不便に感じることが多々あります。Neerwallaだと、ひとつの業者に依存しないため比較的早く配達してくれ、配送状況もアプリ上で確認できるので安心できると思いました。早速利用してみたいと思います。

 

Source:オンデマンドで飲料水を提供するNeerwalla