【インドの闇】インド駐在員のリアルな本音を暴露します
インド駐在員のリアルな本音を暴露します
今回はインド駐在員のリアルな本音というテーマで話していきます。
インド駐在ってむっちゃ大変そう、オレは絶対行きたくないわーって思ってる人は多いと思います。実際、これまでインド駐在員からいろんなヤバい話を聞いてきたので確かにそれも事実なんですけど、一方で、むしろ他の国と比べてインドの方が全然いいっすよ、っていう声も結構聞くんですよね。今回はそんなインド駐在の実態を暴露していきたいと思います。
今回の動画を見ていただくことで、私がこれまでいろいろな駐在員から聞いた、あなたが知らないインドでの仕事や生活の実態、インド駐在員のリアルな本音を知ることができます。
インド駐在生活は人によってその感じ方が大きく違うとは思いますけど、私自身の12年以上にわたるインドでの滞在経験だけではなく、これまでお会いした様々な駐在員から聞いた仕事や生活のキツいところと意外に良いところを包み隠さず話していきたいと思います。
インドでの仕事でキツいところ
まずは、仕事でキツいところについて触れておきたいと思います。
インド駐在員が日本本社に対してよく言う口ぐせとして有名な「OKY(お前ここに来てやってみろ)」という言葉に、インドの仕事上のキツさがよく表れてるんですけど、おそらく一番きついのはインド現地の状況をなかなか日本本社に理解してもらえない、っていうところだと思います。インドの場合、企業によっては日本本社からのサポートも出張者とかの応援もなくて、駐在員が孤立しているケースもあります。否応なく突発的に発生する政府の規制だったり、インド現地で発生するさまざまな問題に対応している中で、インド人特有のビジネス商習慣やコミュニケーションのスタイルに振り回されてひたすら日本本社に状況・事情を説明するための資料づくりばかりやってるっていうケースも見かけます。
そんな状況で、本社からの協力的なサポートが得られなかったり、どうでもいいところでダメ出しをされたり、さらに、仕事が終わったあとも渋滞で帰宅するのに2時間かかったり、交通事故に巻き込まれたり、家に帰ったら停電になって汗だくで夜通し眠れなかったり、こんなことが重なっていくとインド駐在員はOKYと叫びたくなるわけですね。実際に精神的に追い込まれて病んでしまう人もこれまでたくさん見てきました。
最近は日本本社メンバーの中にもインド駐在経験者がいて、日本本社にもついに理解者が現れたかと思いきや、むしろそんなインド駐在経験者からも協力が得られなかったりすると、もはやOKO(お前ここにおったやろ)と叫びたくなるひとも増えているようです。
インドの生活面でヤバいところトップ5
次に、インドの生活面でヤバいところをトップ5をご紹介します。
第5位:日本人学校がない
インドの生活面でヤバいところ、第5位は日本人学校がない、っていうところです。
ニューデリーとムンバイには全日制の日本人学校があるんですけど、チェンナイやバンガロール・コルカタには日本人学校はなく補習授業校しかありません。基本的に日本語での授業は週末土曜のみ、さらに日本人向けの塾もほとんどないという環境なので、小さいお子さん連れのご家族帯同のケースで、お子さんの日本語教育に課題に感じているご家庭は多いと思います。
ただ、チェンナイだけは世界に4校しかない珍しい準全日制の補習授業校があって、校長先生が文科省から派遣されているので、平日の夕方にも日本語の授業があって、インター校に通いながら、平日も毎日日本語の授業がある程度受けられるチェンナイは教育環境としても意外に悪くない、という側面もあります。ただ、子どもは忙しくて大変ですよね。ちなみに、この準全日制補習授業校は、チェンナイ以外にオマーン、タンザニア、メキシコにあります。
第4位:娯楽がない
インドの生活面でヤバいところ、第4位は娯楽がない、っていうところです。
日本だといろんなテーマパークや四季折々のイベントやお祭り、最先端の空間デザインが施された商業施設、温泉旅館やグランピング施設、ビーチリゾート、どこに行っても楽しいですよね。インドにはなーーんにもありません。いや、もちろんあるんですよ。明らかに安全基準を満たしていないであろう遊園地とか、
街中で花火と爆竹が鳴り響くディワリとか、カラフルな粉をかけ合うホーリーとか、それはそれでいいんですけど、やっぱりインド国内はとにかく娯楽がないのでとにかく休日が暇です。
自分の趣味がないと、とにかくやることが無さすぎでひたすら家に引きこもってNetflixを見るという生活をしている人もいます。ただ、逆説的なんですけど、暇だからこそ何か自分の趣味を見つけようと、インドに来て突然楽器を始めてみたり、ゴルフやサイクリングを始めたり、何か新しいことを始める人も結構いて、そこで繋がるインド在住日本人の繋がりは、同じ釜の飯を食った仲間感もあってむっちゃ仲良くなるケースも多いのでここは人によりけり、って感じですかね。
第3位:食生活にワクワクしない
インドの生活面でのヤバいところ、第3位は食生活にワクワクしない、っていうところです。
基本的に、インドで新鮮なお刺身や生肉を食べることは難しいですし、あってもタイなどから輸入された冷凍ものです。ふと食べたくなるシソやミツバ、みょうが、しめじとか、もやしなど簡単に手に入らない野菜もむちゃくちゃ多いです。万が一手に入っても下手すると日本の5〜10倍ぐらいします。
インドの屋台は不衛生な店も多くてタイやベトナムのように屋台を普段使いできないですし、行きたいと思えるレストランがあまりなくて食生活がワンパターンになってしまいがちです。会社によっては日本食材送付制度があって定期的に日本食材が買えたり、買い出し休暇を利用してタイの富士スーパーに行ったり、シンガポールの明治屋とかドンキホーテに行って買い出しにいくインド駐在員は多いですけど、日本の値段を知っているだけに、まーとにかく割高ですよね。タイやシンガポールのスシローで泣きそうになりながら寿司を食べている日本人を見かけたら、それはほぼ間違いなくインド駐在員です。
第2位:公共交通機関の未整備
インドの生活面でのヤバいところ、第2位は公共交通機関の未整備です。
インド国内の多くの都市で公共交通機関が十分に整っていないですし、バスに乗るのはハードルが高いので、基本的に車移動が多くなります。
厚生労働省の「人口動態統計(確定数)」のデータによると2022年の日本国内の交通事故による死者数は3541人ですが、インドの国土交通省Ministry of Road Transport and Highways (MoRTH)のデータによると2021年のインド国内の交通事故による死者数は153,972人と日本の約40倍です。人口規模の差以上に多いですよね。
市内は渋滞がひどいエリアも多いですし、急に車が動かなくなったと思ったり前から牛が押し寄せてきたり、歩道が整備されていないエリアも多い。道路の水捌けが悪すぎて大雨が降ると街がすぐに川のようになります。不衛生な場所も多くて悪臭がしたり、電線が剥き出しになってぶら下がっていたり、落とし穴も障害物も多いので、もはや劣悪なマリオワールドみたいになっています。
気がついたら一日中ほとんど歩かない生活になってしまう人も多く、しかもデコボコ道の多いインドで毎日車移動ばかりで腰を痛めてしまう駐在員もたくさんいます。
第1位:過酷な住環境
インドの生活面でのヤバいところ、第1位は何と言っても過酷な住環境です。
蚊やゴキブリやねずみが大量発生したり、湿気が高くて家の中でキノコが生えたり、雨漏りがしたり、停電になって汗だくになったり、エアコンも浄水器もよく壊れるし、インドの水は極端に硬水で、水質も良くないのでシャワーヘッドもよく詰まります。
エリアによっては徒歩圏内にはほどんどお店もレストランもなく、日本食レストランがデリバリー圏外で注文さえできないというケースもたくさんあります。なのに、家賃はむちゃくちゃ高い。駐在員が住む家の家賃はだいたい月30〜40万円ぐらいが相場感ですし、さらに電気代も高い。例えばうちの家でも比較的涼しいバンガロールでさえ電気代は毎月1万円ぐらいかかってます。
というわけで、一見、家賃の値段だけを見るとすごいいいところに住んでいるように勘違いされている駐在員も多いと思いますが、インドの住環境の実態はなかなか過酷なんですよね。
インド駐在生活の意外に良いところトップ5
それでは、ここからはインド駐在生活の意外に良いところトップ5についてお話していきます。
第5位:気候が良い
インド駐在生活の意外に良いところ、第5位は気候が良いところです。
これは特に南インド特有の良さですね。インドってむっちゃ暑いんでしょ?って思っている人は多いと思うんですけど、例えばデリーは暑いときに確かに40度を超えますし、寒い時は10度以下のときもあります。一方で、南インドだとチェンナイもバンガロールも年間を通じてそこまで気温差がありません。寒いのが嫌いな人にとっては、海が近くにあって年中亜熱帯気候のチェンナイは悪くないですし、暑いのが嫌いな人にとってはデカン高原にあって年中高原気候のバンガロールはむちゃくちゃ快適なのでおすすめです。
第4位:出張者対応が少ない
インド駐在生活の意外に良いところ、第4位は出張者対応が少ないことです。
これは企業によって状況は違うとは思いますが、例えばタイやベトナムなどの東南アジアだと駐在員あるあるの出張者対応がむっちゃ多いんですよね。その都度一緒にご飯にいったり接待をしたりする必要があるんですけど、インドには日本本社やクライアント企業があまり出張で来ないんですよね。
物理的に遠いっていうのもあると思いますし、接待でお連れするような夜のお店もないですし、そもそもインドに行きたくないっていう感情的な背景もあるような気がしていて、もちろん、駐在員が孤立しているっていう意味での仕事の大変さはありますけど、会社のお付き合いが他の国よりも少なくて楽、っていうのはあるかなと感じています。
第3位:自由に仕事ができる
インド駐在生活の意外に良いところ、第3位はなんだかんだ自由に仕事ができることです。
インドの駐在員は少人数で、社長や取締役として高い役職と権限を持ってインドに赴任をしている人も多いので、先ほどお話をした出張者対応が少ないという点もそうですし、日本では中間管理職だった方がインドでは現法社長としてのびのびと自由に仕事をしているケースも比較的多いです。
もちろん責任重大ですけども、権力格差の大きいインドという国で、高い役職と権限をうまく活用すれば、とても仕事のしやすい環境をつくることができる、っというのは意外に良いところかなと思います。
第2位:外国人や子供に対して優しい
インド駐在生活の意外に良いところ、第2位はとにかく外国人や子供に対して優しいことです。
基本的に、日本人がインドで生活をしていて差別や疎外感を感じることはほとんどありません。例えば、フランスなどのヨーロッパ諸国から横移動でインドに来られた駐在員は、住むならインドの方がぜんぜんいいっていう話もよく聞きます。実際、先日1週間ほどドイツに旅行に行った時に、ドイツ人に英語で話しかけてもドイツ語でしか返してくれないケースも多くて、その短期間でも似たような疎外感を感じましたが、インドは多様な国だからこそとにかく人が優しいので、外国人であることを忘れてしまうぐらい社会に受け入れられている感覚があって、意外にとても過ごしやすいと感じるところです。
ご家族帯同でインド駐在をしている場合だと、インド人の子供好きに助けられることは本当に多いです。困っていると必ず助けてくれますし、混んでいるレストランに行っても優先的にソファー席を準備してくれたり、チョコレートや風船を用意してくれたり、レストランで走り回っている子供に対してむしろお店の店員さんが一緒になって遊んでくれます。
第1位:意外に楽できる
インド駐在生活の意外に良いところ、第1位は、意外に楽できることが多いことです。
インドは所得格差の大きい国だからこそ、インド特有の分業制度や下請け文化っていうのがあってですね、例えば、家にはいつもセキュリティのおっちゃんがいて、メイドさんが家事を手伝ってくれて、ご家族帯同のケースだとベビーシッターを雇用して子供の面倒を見てもらって、食事会・飲み会に行ってもお店の前で車に乗ればお抱えのドライバーさんが自動的に家まで連れて帰ってくれると、とにかくいろんな人に、少しお金を払えばどんどん生活が楽になっていくんですよね。
たしかにインド駐在生活は大変って言いいますけど、なんだかんだ工夫次第では意外に楽ができるっていう世界線もあります。ちなみにメイドやベビーシッターの時給は150〜200円ぐらい、ドライバーの月給も3〜4万円程度なので、割と雇用しやすいですよね。このインドの下請け文化を積極的に活用することができると、どんどん生活が楽になっていきます。
さて、ここまでインド駐在生活のヤバいところと意外に良いところをお話してきました。
インドはやっぱりなんだかんだ大変ですし、日本本社にこの大変さはなかなか理解してもらえないんですけど、とはいえ、海外赴任手当や世界最高水準のハードシップ手当、めちゃ高い家賃もインター校の教育費用も全部会社負担、メイドもベビーシッターもドライバーもいて、慣れてしまえば意外にインド駐在生活も悪くかもなー、って感じている駐在員やご家族も多いんじゃないかなーと思っています。それでも、日本本社からもし出張者が来たときには、インドの大変さ・つらさをしっかりとアピールして、これからもちゃーんとハードシップ手当は払ってくださいねーっていうのがインド駐在員の本音ではないでしょうか?
さて、今回はインド駐在生活のリアルな実態についてお話しました。もちろんインドは赴任先によって生活環境がまったく違いますし、会社によっても待遇やサポート体制はまるで違うので、インド駐在生活のここはつらかった、ここが意外に良かったっていう点があればぜひぜひコメント欄で教えていただけると嬉しく思います。