【9割が途中帰任?】 インド駐在のヤバい現実と闇を暴露
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今回はですね、9割が途中帰任しているという海外駐在のヤバい実態について徹底解説してみたいと思います。
インド駐在のヤバい現実と闇を暴露
ちょっと刺激的なタイトルになってますけど、これ、本当に多くの企業で深刻な問題になってるんですよね。憧れの海外駐在っていうイメージを持っていらっしゃる方もいるかもしれないですけど、でも実は、9割以上の企業で“途中帰任”が起きているって知っていますでしょうか?今回の動画では最近発表されたある調査結果をもとに、海外駐在の中でも特にインド駐在にフォーカスをあてて、なぜ途中帰任が多発しているのか原因を深掘りしてみたいと思いますので、ぜひぜひ最後までご覧ください。
理想の海外駐在、でも現実は厳しい
海外駐在って聞くと、「キャリアの花形」とか、将来的な「出世コース」っていうむちゃくちゃポジティブなイメージがあると思います。もちろん、海外でビジネスを経験することは、個人のキャリアにとって大きな成長につながりますし、企業側もグローバルな人材育成の柱として駐在員を派遣しているわけです。ですが、現実っていうのは、そんな理想とはかけ離れた厳しいものなんです。
ある民間の調査によると、海外駐在がある日本企業の9割以上で、任期途中の帰任、つまり“途中帰任”のケースが発生していることが明らかになっています。9割以上って、これ、本当にヤバい数字ですよね。
途中帰任の原因として多いのが、「文化ギャップ」や「人間関係のストレス」で帰任しちゃうケースなんです。
なぜ海外駐在でミスマッチが起こるのか?
じゃあ、そもそもなぜこんなミスマッチが起こっているのか。過去3年間に途中帰任した海外駐在員がいた日本企業にその主な理由を聞いた調査結果を見てみると、企業側において海外駐在に対するイメージに大きなズレがあることがよくわかります。
誰を駐在員として海外に派遣するべきか、これは各企業様ごとになかなか悩ましい問題ですけど、その駐在員候補の選抜基準において、もっとも重視されているのが「語学力」という調査結果が出ていて、そして、「職務経験・専門スキル」、「リーダーシップ」がその後に続きます。
一方で、途中帰任の理由を見てみると、堂々の1位はなんと「現地の文化や価値観になじめなかった」が35.0%。そして「現地スタッフとのコミュニケーションがうまくいかなかった」が33.8%、さらに「日本式の働き方に固執して現地のやり方や慣習に適応できなかった」が26.0%と続きます。
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ここで、みなさんお気づきのとおり、「語学力」というのは6番目なんですよね。ここにむちゃくちゃ大きなズレがあるわけです。海外赴任でいちばん重要なのは「語学力」だと思われがちですけど、海外駐在の成功を左右するのは、TOEICの点数とか流暢な英語力とかじゃなくて、実はもっとビジネスに直接的に影響を与え得る本質的な部分だってことです。語学よりも「異文化適応力」や「現地の人たちとの関係構築力」が決定的に重要だという実態が明らかになっています。
これ肌感覚としても、私がこれまで10年以上にわたってインドで見てきた駐在員の方々の実態はまさに同じ、というか、むちゃくちゃ英語力が高い駐在員がいつもインド人に対してイライラしていてずっとすれ違ったままというケースは意外に多い一方で、まったく英語ができない日本人工場長が、身振り、手振り、あらゆるコミュニケーション手段をつかってご自身の熱意でもってインド人ワーカーとむちゃくちゃ信頼関係を築いているという製造現場もたくさん見てきました。なので、インドの場合は「現地の文化や価値観とのギャップ」に苦しんで、インド人とのコミュニケーションがストレスで、なかなか仕事で成果が出せない、事業がいっこうに立ち上がらない、という状況に陥ってしまっている企業は実は多いんじゃないかと思っています。
企業の海外赴任研修とのズレ
じゃあ、企業側はこういった現実に対して、ちゃんと準備ができているのか?残念ながら、ここにも大きなズレがあるようです。
まず、海外赴任前の研修実施状況を見てみましょう。「会社が必須の研修を用意して、全員に受講させている」という企業は、全体の28.0%しかありません。そして、研修の内容を見てみると、最も重視されているのは「治安や危機管理などの安全対策研修」(59.3%)と「語学研修」(55.0%)が中心で、途中帰任の最たる原因だった「現地の文化や価値観」に対する理解を深めるための研修を実施している企業は半数以下です。つまり、「文化の壁」という、いわば事業の成果に直結してしまう本質的な課題を抱えているにもかかわらず、そもそも企業として研修制度を整備できていないケースが多くて、さらには、研修を実施していたとしても「語学や安全対策」に偏っているという状況が浮き彫りになります。
この文化の相対的な違いを測定して、その違いを6つの次元に分けて定量化できるようにしたのが、世界的権威のオランダの社会心理学者ゲールト・ホフステード氏が開発したCWQ(Culture In The Workplace Questionnaire)というものなんですね。弊社関連会社INDIGITALでは、このCWQ認定アソシエイトの国際資格を持ったメンバーが多数おりまして、異文化研修サービスをご提供しています。
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例えば、企業様の駐在員やインド人従業員自身が持っている文化とその違いをCWQアセスメントで測定していただくことで、客観的なデータに基づく見えないストレスの所在やその潜在的原因に気づくきっかけをつくれたり、例えば、企業様が実施される1年に1回の全社集会のプログラムの中に、異文化理解の本質を体系的に学んでいただくワークショップを組み込んで実施することもできます。もしご興味ある方はぜひお問い合わせいただければと思います。
若手が海外に行きたがらない理由
そして、さらにインドの深い闇として指摘されるのが、インド駐在員の後任者不在問題です。多くの企業で、若手社員の「海外志向」が低下しています。つまり、海外赴任を希望する若者がどんどん少なくなってきていて、その結果、駐在員の高齢化・固定化も進んでいるという声が挙がっています。ましてや赴任先がインドとなると、その難易度は格段に上がります。
実際、インド駐在員から話をお聞きしていると「インド駐在は今回で2回目です」っていう方や、「チェンナイからデリーに転勤になりました」といったインド国内横移動っていう方も増えています。要は新しい後任がいない、という問題に直面している企業は少なくないんですよね。
以前は「海外駐在=成功」というイメージもあったかもしれないですけど、昨今の人材の需給関係も影響をしているのか、若手社員の中には、あえて厳しい環境に飛び込むよりも、国内での安定したキャリアを優先したい、なかなかコンフォートゾーンから抜け出せない、という人が増えているのかもしれないですよね。この若手人材を確保する難しさに加えて海外意欲の低下は、日本企業のグローバル展開にとって、今や根本的な課題になっていると言えます。
これからの海外駐在に必要な3つの準備
最後にですね、この「9割途中帰任」の現実をどのように変えていくべきなのか、という話をしたいと思います。
いろいろなアクションプランが考えられますけど、私からはですね、企業様が早期帰任を未然に防いで、かつ、グローバル人材育成を成功させるための具体的なアクションとして3つほどご提案したいと思います。
① 異文化理解を深める研修・ワークショップを実施する
1つ目は先ほどもご紹介しましたが、赴任前後の異文化理解研修やワークショップの実施です。つまり、文化の違いを正しく理解して、柔軟に対応できる力、違いに橋をかける力を養うっていうことですね。語学研修や安全対策ももちろん大切ですけど、インドの文化を知識として理解するだけじゃなくて、それをある種「メタ認知」をして、例えば、仕事でインド人の部下とコミュニケーションしている時とか、日々の生活の中で直面するさまざまな文化の違いに対して、自分の行動を具体的に変えられる力を養っていくこと、つまり、自分自身が持っている常識とか日本の常識をぶっ壊すわけですね。これこそが、駐在員が主体的に任期をまっとうする強力な土台になります。インド駐在員が抱えるストレスの原因と解決策についてはこちらの動画でも詳しく解説をしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
③ 帯同家族・生活のサポートを行う
2つ目は帯同家族・生活のサポートです。インド駐在に帯同されるご家族がインド生活にうまく適応できるかどうかがインド駐在の成功を大きく左右します。帯同家族の生活や子どもの教育、医療やメンタルヘルスのサポートも含めた包括的な支援が求められます。帯同されるご家族にとってインドのどの都市に住むのか、どのような家に住むのか、その生活環境こそが、事業を立ち上げていく上での極めて大切な基礎インフラであることをあらためて認識した上で、企業様が生活環境の立ち上げを全面的にサポートをしていく必要があります。インドの都市比較についてはこちらの動画で詳しく解説をしていますので、もしご興味ある方は観てみてください。
② インド好きの人材を日本本社で採用する
そして最後3つ目はインド好きの人材を日本本社で積極的に採用することです。元も子もない話に聞こえるかもしれませんけど、これはむちゃくちゃ重要です。っていうのも、そもそも駐在員っていうのは基本的に孤独なんですよね。特にインドの駐在員は、例えばタイやベトナムなどの東南アジア諸国と比べてもインド現地の実態を日本本社に理解してもらえなかったり、日本本社からのサポートが得られにくい傾向があります。インド駐在経験者だったり、インドにチャレンジしたい若者、さらには、日本の文化を理解しているインド人や日本好きのインド人も含めて、日本本社がそういった人材を積極的に採用をして、日本企業としてインドの文化に対してどれだけ歩み寄れるか。
日本が世界に誇る経営コンサルタントの大前研一さんは「人間が変わる方法は3つしかない」と提唱されていますよね。
①時間配分を変える
②場所を変える
③付き合う人を変える
企業として時間配分や場所を変えるのはそう簡単ではないので、日本企業という法人格が自ら変わるためには、まさに「付き合う人を変える」必要があるわけです。この重要性をあらためて認識する必要があると考えています。日本本社の中にもインドを積極的にサポートしてくれる経営陣のチームを育てていくこと、こうした日本本社に新しい風を吹かせるというか、本社のマインドセットを変えていくためには、新しい人材を採用するのがもっとも効果的です。
インド人材採用に関してこちらの動画で詳しく解説していますので、ご興味ある方はぜひぜひご覧ください。
今回ご紹介をしたようなアクションを実際に実行していくこと、そして、社内にさまざまな成功体験をつくりやすい体制・仕組みをつくっていくことが、「インド駐在に『挑戦したい』」と自主的に思ってくれる人材を社内から醸成していくことにも繋がっていきます。
さて、皆さん、いかがでしたでしょうか?今回は、9割が途中帰任しているという海外駐在のヤバい実態とその解決策について、インドに注目をして解説してみました。引き続きインドの最新情報をキャッチアップしていきたいという人はぜひぜひチャンネル登録もお願いをいたします。
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