India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0025 I-ZEST導入でソーシャルディスタンスを確保。接客での差別化が難しくなるホテル業界の今後は?

インドホテル、デジタルソリューションによるコロナ対策と今後の課題

インドホテル大手がソーシャルディスタンス確保を徹底

インド大手経済メディアのThe Economic Times社の2020年8月4日付報道によると、インド大手ホテルチェーンのIndian Hotels Company Limited(ザ・インディアン・ホテルズ・カンパニー:以下IHCLという)は、同社が運営するTaj(タージ)、Vivanta(ヴィヴァンタ)、SeleQtions(セレクションズ)の各ホテルにて接客における濃厚接触を抑えるために、デジタルソルーションである『I-ZEST(IHCL’s Zero-Touch Service Transformation)』を導入することを発表しました。本サービスは新型コロナウイルスの感染拡大を抑えることを目的としており、チェックイン、チェックアウト時のゼロ接触、電子インボイスの発行、オンライン決済の導入、レストランでの電子メニューの採用を行うことでソーシャルディスタンスの確保を徹底する狙いです。

I-ZESTの対策は接客においてのみではなく、従業員の安全性も考慮されているようで、例えばこれまで紙ベースだったチェックリストのオンライン化、顔認証やQRコードを使った勤怠管理システム、有給休暇管理のプラットフォーム自動化などがあり、安心・安全な職場環境の実現にも同時に取り組んでいくようです。

接触と接客のバランスを模索するインド接客業界

長引く新型コロナウイルスのパンデミックに対応して、ホテル業界、接客業にも大きな変化が現れてきました。デジタルソルーションの導入によって、サービス提供者とゲストの接触を最低限に抑えることは感染の心配を減らしますが、これまで接客を売りにし、他社との差別化を図ってきたホテルやレストランはそれ以外のところで付加価値を提供していく必要が出てきます。接触を抑えつつも顧客を魅了するおもてなしを提供することができるか、接客以外のサービスをいかに洗練することができるか、が今後のホテル業界、接客業のテーマとなりそうです。

Source:IHCL、デジタルソルーション導入でソーシャルディスタンスを図る

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