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週刊インドトピックス

Vol.0003 ロックダウンで新たな気づき、税法と労働法の改定要請でインドIT産業はどう変わるのか

インド大手経済メディアのThe Economic Times社の2020年5月12日付報道によると、インドのIT業界が国に対して税法および労働法の改定を求めているようです。今回の新型コロナウィルスのパンデミックによってもたらされた変化の一環として、今後インド国内のIT労働者約430万人の半数近くが本格的に在宅勤務(以下、WFH : Work From Home)に切り替えるであろう、との推定が今回の法律改定要請の背景にあるようです。インド最大のIT企業であるTata Consultancy Services(タタ・コンサルタンシー・サービシーズ社)は2025年までに従業員の75%は在宅勤務によるリモートワークにシフトしているだろうと予想しており、インド大手IT企業のTech Mahindra (テック・マヒンドラ社) のCEOであるCP Gurnani氏も在宅勤務を増やしていくこと、そして各地にいくつかのリモートワーク用のオフィスを用意し働く場所を分散させていくことを示唆しています。インドの主要IT関連企業が加盟している業界団体NASSCOM(※注)は現在WFHの観点から勤務時間やシフト時間等における労働法の規定について再定義が必要、さらにWFHにより新たに発生した費用を税務上の事業経費として損金が認められるべき、との認識を持っており、IT産業界からの要望も集約し、来週までに政府に報告書を送る準備をしています。

IT企業が集まるバンガロールでは渋滞がひどく、毎日1時間以上かけて通勤している人も珍しくありません。インドのIT産業はGDPの8%を占めており、今後さらに伸びていくことが予想されています。WFHが進むことで仕事効率が上がり、より働きやすい職場環境の再構築にもつながると考えられます。また、コロナ禍に端を発してオンライン化やクラウド化を含むDX(デジタルトランスフォーメーション)はさらに加速するものと想定され、インドIT産業の成長に拍車がかかることが期待できます。バンガロールに滞在する身としても今後渋滞が緩和され、大気汚染の改善も期待できるので、労働法が改定され、働き方のパラダイムシフトと共にWFHがさらに普及することを望んでいます。

※注:National Association of Software and Services Companies National(全国ソフトウェア・サービス企業協会)

Source:インドIT業界、インド政府へ税法と労働法の改定を求める