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週刊インドトピックス

Vol.0004 インド政府、20兆ルピーの大規模経済対策で国民の不安は拭えるのだろうか

インド大手経済メディアのThe Times of India社の2020年5 月13 日付報道によると、前日5月12日に行われたナレンドラ・モディ首相の緊急演説を受けて、ニルマラ・シタラマン財務大臣が20兆ルピー(約28兆円)規模の経済支援の具体案を発表しました。これはGDPの約10%に当たり、今回発表された追加経済支援対策は、特にダメージの大きい中小企業の資金繰り改善および保護を目的としているものが多くなっています。具体的には、主な対策として3兆ルピーの無担保ローン(Collateral-free Automatic Loans)を借入期間4年および12ヶ月間の額面返済のモラトリアム期間を付与して提供すること、劣後債(Subordinate Debt)として2,000億ルピーを援助すること、政府が実施する 20 億ルピー以下の入札に対する外資系企業の参入禁止などが挙げられました。他にも2021年3月31日まで源泉所得税(TDS : Tax Deducted at Source)の税率を25%軽減すること、個人所得税や法人所得税、GSTなどの各種税金の申告期限の延長、そして、銀行以外の金融機関に対する3,000億ルピーの資金投入、配電会社への 9,000 億ルピーの資金投入などが発表されました。

2020年のインド経済は40年ぶりにマイナス成長となることが予想されておりますが、今回の経済対策によりマイナス成長に歯止めをかけ、そして、経済が成長軌道に戻ることを後押ししてくれると期待しています。しかし、今回の経済対策はインド経済の中枢を担う中小企業を守ることが主な目的となっており、失業者に対する直接的な所得補償はありませんでした。2020年3月にすでに貧困層向けには1兆7,000億ルピー(約2兆5,500億円)規模の経済対策パッケージが発表されていましたが(5キロの米または小麦の3ヶ月間無償支給や貧困女性2億人への1人当たり1,500ルピー(約2,100円)の支給など)、決して十分な補償であったとは言えません。インド国内の失業者数は4月末時点で1億2,000万人を超えており、失業率は約25%となっています。容認しがたいデータではありますが、“アフターコロナ”に経済成長への軌道をスムーズにするためにも、今後この失業者に対するインド政府による適切な対策が施されることを願っています。

Source:インド政府、約28兆円の経済対策を発表