India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0011 新型コロナウイルスで新たな気づき。インド人の働き方シフトで見えてくるメリットは?


インド大手経済メディアのThe Economic Times社の2020年6月8日付報道によると、6月1日よりロックダウンが徐々に解除されてきているものの、多くの企業は約半数の従業員に対しWork From Home(以下“WFH”という)を認める方針を続けていくようです。インドの日用消費財を取り扱うMarico(マリコ)は今回の重要な働き方改革を外部のコンサルティング会社とともに進めており、少なくともこれまで会社出勤していた従業員の40%を今後長期にわたってWFHにシフトすることを決めました。また、大手広告代理店グループWPP傘下のWunderman Thompson(ワンダーマン・トンプソン)は50:50体制をとることで会社出勤する社員を半数に抑えることを視野に入れており、Mercedes-Benz India(メルセデス・ベンツインド)は週3日のみ会社出勤を認める方針をとるようです。同社の取締役社長兼CEOのMartin Schwenk氏は「オンラインとオフラインの混合は新常識“ニューノーマル”である。WFHが実際によく機能していることに感動しており、私自身にとってもこの新しい働き方は快適である」と述べています。
一方でThe Times of India社の5月11日付報道にもあったように、インド大手金融機関Axis Group(アクシスグループ)やMotilal Oswal Financial Services(モチラル・オスワル フィナンシャルサービス)はポストロックダウン対策として、会社に居ながらも安全に働くことができるよう、早い段階で従業員に対し会社に戻ってくるよう奨励していました。Nestle India (ネスレインド)はWFHを続けつつも、会社で働かざるを得ない従業員に対して2メートルのソーシャルディスタンスを確保できるように机の配置を工夫しているようです。

ロックダウンが徐々に解除されてきてはいるものの、インド国内の多くの会社は出来るだけWFHを継続していく方針をとっていくようです。実際に2ヶ月以上続いたロックダウン中に政府機関を除くほとんどの会社はWFHを余儀なくされていましたが、その中でWFHの仕事効率におけるメリットに気づいた会社も多いようです。会社に出勤する必要がなくなることで、通勤へのストレスがなくなり、体力的にも精神的にも余裕が持てます。また、交通渋滞の緩和につながり、インドで深刻化する排気ガスによる空気汚染を防ぐこともできるでしょう。新型コロナウイルスによって従来の常識が常識ではなくなった“ニューノーマル”な世界が広がったことで、これまでの無駄に気づくことができました。この気づきは今後の社会の在り方に大きなインパクトを与えてくれるでしょう。
しかし、インドの新型コロナウイルスの被害は決して楽観視できるものではありません。6月8日時点で累計感染者数は25万人を超え、7日の1日の感染者数は過去最大の9,971人を記録しました。本日よりショッピングモールやレストランは運営を再開し、宗教的な参拝も認められ、感染者の伸びは今後さらに勢いを増すでしょう。私の住んでいるカルナータカ州は累計感染者数約5000人と、他の州に比べるとまだ少ないものの、8日に1日あたりの最大感染者数、308人を記録しています。不要不急の外出は控え、外出時はマスク着用、消毒液を持ち歩くなど引き続き自分でできる感染対策を徹底しようと思います。

Source:多くのインド企業が今後もWFHを続ける姿勢を表明