India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0028 激動のインドヘルスケア市場にAmazon Indiaが参入!既存企業の脅威となるのだろうか?


インドの大手スタートアップメディアであるInc42社の2020年8 月14日付けの報道によると、Amazon Indiaが新サービス『Amazon Pharmacy』をローンチし、オンライン薬局業界に参入するようです。まずはバンガロールで試験的にサービスを開始し、のちにエリアを拡大していく予定とのことです。
2014年から2019年の間にインドのヘルステックスタートアップに投資された額は約20億ドル(約2,100億円)で、うち22.4%にあたる4億6000ドル(約490億円)は現在もオンライン薬局業界でシェア上位を占めるMedlife(メドライフ)、1Mg(ワンエムジー)、PharmEasy(ファームイージー)、Netmeds(ネットメドズ)に投資されてきました。遠隔医療やフィットネスアプリなどを含むヘルステック産業は近年ますます注目を浴びていますが、その中でも特にオンライン薬局への関心が高まっており、2014年から2019年の6年間のインドヘルステック産業への投資額内訳をみてみるとオンライン薬局業界が最も高くなっています。投資家にとってもインドのオンライン薬局業界は堅実かつ魅力的な投資先であることが分かりますが、年始から蔓延し始めた新型コロナウイルスが追い風となって最近さらにその成長を後押ししています。

なお、Amazon Indiaは中小規模のパートナー企業や職人、起業家向けに“Prime Day”というキャンペーンを強めており、8月に開催された直近のPrime Dayを機に100万人以上のプライム会員が買い物をし、前年比2倍以上の新規プライム会員登録者を獲得しています。健康や安全への関心が高まる中でトレッドミル(屋内ランニングマシン)や家庭用ジムキットなどの家庭用のフィットネス製品の販売が特に好調のようです。インドでは新型コロナウイルスは今もなお猛威を振るっており、直近1週間の1日の新規感染者数はほぼ毎日6万人以上、8月14日時点で累計感染者数246万人を記録しました。病院のベッド数は足りておらず、インド政府は新型コロナウイルスの症状が重くない患者に対し自宅で隔離するよう呼び掛けています。これまでオンライン薬局は顧客対応サービスや、返品方針の点において顧客の満足度が実店舗に比べ低い傾向にありましたが、外出することで新型コロナウイルスの感染リスクが高まる現在の状況下において、その付加価値や存在感が高まってきているようです。また、Amazon Indiaという資本力のある競合の参入によってさらなる競争原理が働き、より一層サービスの質の向上が見込めることと思われます。
Amazon Indiaは今年5月に『Amazon Food』としてフードデリバリーサービスを開始したばかりですが、その存在は既存のフードデリバリー大手であるZomato(ゾマト)やSwiggy(スイギー)の収益に大きな影響を与えているようです。世界的大手EコマースのAmazonがあらゆる産業に進出することで各社の競争力が増しさらに市場全体が活気付くことを期待しています。

Source:
Amazon Indiaがオンライン薬局サービスを開始
Amazon IndiaバンガロールでAmazon Pharmacyをローンチ