India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0152 メガラヤ州で開花する女性の起業精神

メガラヤ州では、女性起業家たちがさまざまな分野で新しいビジネスの道を切り拓いています。靴やキャンドル、ウコン、絹製品の製造からデジタルマーケティング事業まで、これらの女性たちはメガラヤ州のPRIME:Promotion and Incubation of Market-driven Enterprises(市場主導型企業の促進とインキュベーション)プログラムの支援を受けながら、多岐にわたる事業を展開しています。この地域特有の母系社会のもと、女性起業家の割合は60%に上り、彼女たちは地域の経済発展に貢献しています。

PRIMEは2019年に始まり、インキュベーション、メンターシップ、トレーニング、資金調達のアクセス、ネットワーキングを総合的に提供するプログラムです。この取り組みは、イノベーション、製品への価値追加、地域レベルでの起業プログラムと自己援助グループ(SHGs : self-help groups)の3つのレイヤーに焦点をあてて支援を行っています。

例えばある地域ブロックでは、15の女性の自己援助グループが太陽光発電を利用したウコン加工ユニットの設立資金を提供されました。
また、デジタルマーケティングエージェンシー「Digital Fuel」やデザイナーシューズブランド「Candid Shoes」の創業者らは、オフィススペースやビジネスネットワークの提供などのPRIMEのサポートを受けて、ビジネスを成長させています。生産過程で蚕を殺さないという特徴を持つエリ・シルクを用いたファッションブティック「Kinihoboutique」や、自宅でスタートしたアロマキャンドルを製造する「24 Degrees Scented Candles」も、このプログラムによって支援を受けています。

これらの女性起業家の増加理由として、勤勉さや、社会文化的要因が挙げられます。メガラヤ州では母系社会で、女性名義での土地所有が一般的です。また女性たちは常時、少なくとも2~3種類の収入源を持っています。そして女性たちは非常に才能があり、野心的で、新しいことに挑戦することに積極的です。
しかし課題として、ビジネスと家庭のバランスをとることの難しさがあります。それでも、これらの女性起業家たちはメガラヤ州の経済と社会に大きな影響を与えており、地域社会での彼女たちの役割はますます重要になっています。

 

Source:PRIMEと共に歩むメガラヤの女性起業家

 

メガラヤ州はインドの北東部に位置する州で、州人口の70%以上をキリスト教徒が占めるインドでは稀な土地です。筆者もメガラヤ州に住む友人がいることから、いつか訪れようと関心を持ってきましたが、母系社会の特徴を持つことを初めて知りました。
女性起業家の増加は、インドの経済成長とイノベーションにとってもとても重要なものだと思います。文化や社会構造の違いから、安易にほかの州と比較することは難しいですが、女性起業家の多いメガラヤ州が今後どのような発展をしていくのか注目したいです。

(文責:大森太郎)