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週刊インドトピックス

Vol.0033 競争激化のインドSMEs向け団体保険サービスにおいてPlumHQは盤石の地位を築くことができるだろうか?

中小企業向けデジタルインシュアランスを提供する「PlumHQ」とは

インドの大手スタートアップメディアであるInc42社の2020年8 月28日付けの報道によると、中小企業などの団体向けにデジタルインシュアランスを提供するフィンテックスタートアップのPlumHQ(プラム)が注目を集めているようです。

同社は2019年11月にバンガロールを拠点に設立され、複数の保険会社とのリベニューシェアモデルをベースにベーシックプランだと従業員1人当たり年間999ルピー(約1450円)からデジタル保険に加入できるプラットフォームを提供しています。

健康保険に加入していない「失われた中間層」をターゲットに

インドは約13億人の人口を抱えており、うち約5億人にあたる貧困層は政府の出す健康保険や医療保障制度の対象となっています。そして、残りの約8億人のうち、上位1億人はすでに大手保険会社や他のデジタルインシュアランスを提供する会社と契約をしていますが、残りの約7億人は自分で健康保険に加入する余裕がないのが現状です。

PlumHQはこのセグメントを『Missing Middle(ミシング・ミドル)』と呼んでおり、その中でも約1億5000万人を雇用している中小企業や新興企業(SMEs:Small and Medium Enterprises)をターゲットにしています。

PlumHQのCEOであり共同創業者のAbhishek Poddar氏は『個人向け生命保険や自動車保険などの保険市場では、Acko、Policybazaar(ポリシーバザール)、Digit Insuranceなどのフィンテック企業のおかげでイノベーションが起きているが、団体医療保険は過去20年イノベーションが起きていない分野である。』と述べています。

また、インドのSMEsが従業員に保険を提供できない理由として

  1. 通常保険の契約に8週間ほどの期間を要するが、中小企業の経営者はこれを待つ余裕がないくらい多忙を極めていること、
  2. ほとんどの保険会社は、小規模な組織への保険の販売を拒否する傾向にあること、

の2つが挙げられるようです。PlumHQは他社が避ける層をターゲットとし、保険料の見積もりもウェブサイトにて約1分で結果が分かる手軽さなどから人気を得ており、現段階で150以上の企業と契約を結んでいます。

これから伸張が期待される保険サービス

PlumHQは保険とは別にウェルネス製品も取り扱っており、同プランではジム、歯科治療、メンタルウェルネスツール、健康診断、セラピーの利用が可能です。また、従業員一人あたり年間500ルピー(約725円)の費用で医師の受診が無制限になるオプションもあります。

Poddar氏によるとインドは世界の中でも健康保険の普及率が特に低い国のうちの1つで、都市部では18%、農村部では14%にあたる人口しか保険に加入できていません。しかしオックスフォード・エコノミクスによると、健康保険の普及率は順調に伸びてきており、2021年までにインドの健康保険による歳入は35億ドル(約3700億円)に到達すると予測されています。

実際にインド政府は2018年9月に世界最大規模の医療保険制度、『Ayushman Bharat』を成立させており、国全体として保険の普及率を上げる動きが見られます。またデジタル自動車保険としてサービスをローンチしたAckoや、個人向け生命保険サービスを主力としていたDigit Insuranceも団体保険の分野に参入してきており、今後ますます盛り上がりを見せてくれそうです。

Source:デジタルインシュアランスで注目を浴びているPlumHQ
Plum Website:https://www.plumhq.com/

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