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週刊インドトピックス

Vol.0124 インドのバイク版Uber「Rapido」復調の兆し、コロナ禍前のピークに到達

バイクタクシーの需要がコロナ禍前の水準に

ザ・エコノミック・タイムズ紙の11月7日付の記事によると、オンラインのバイクタクシー事業スタートアップであるRapido社は、インド国内の多くの州でロックダウンが緩和されて以来、需要が急激に増加し、ここ数週間でコロナ禍以前のピーク時と同じ水準に達したとのことです。

Rapido社の共同設立者であるArvind Sanka氏は、「最近、タクシーやオートリクシャー(三輪タクシー)が顧客を拒否するケースが増えています。これがバイクタクシーの導入を後押ししています。」と述べています。

Rapido社は現在、100都市でバイクタクシーサービスを、26都市でオートリクシャーサービスを提供しています。

車両の電動化推進にも注力

Rapido社のプラットフォーム上では、15~16万台のバイクと7万台のオートリクシャーが運行されており、両カテゴリー合わせて月間1,000万件の注文があるとSanka氏は語っています。

Rapido社はさらに政府の方針に合わせて車両の電動化にも取り組んでおり、デリーとベンガルールで来年末までに2輪車の4分の1を電動化する予定です。

Sanka氏はさらに「すべての人がすぐに電気自動車に乗り換えるわけではありません。彼らバイクタクシー事業者は、資金調達の方法、充電インフラ、再販価格など、さまざまな側面を考慮した上で判断します。総コストが納得できるものでなければなりません。私たちは、彼らがレンタルやリースなどによって電動二輪車に移行できるよう、中間業者と協力し、その需要を生み出していきます。」と述べています。

コロナ禍を支えたデリバリー事業

同社の売上のうち、バイクタクシーが55%、オートリクシャー事業が25%を占めており、残りの20%を、新型コロナウイルスの感染拡大により需要が大きく損なわれた中で参入したハイパーローカルデリバリーサービス(地域よりもさらにせまい範囲の店舗から顧客に対して商品を即時配達するサービス)が構成しています。

バイク、オートリクシャー、デリバリーの3つの事業分野の構成比は、今後も変わらないと予想されています。

Rapido社は、デリバリーサービスのために大小25のデリバリー業者と提携しており、ビジネスのほぼ90%はSwiggy、Zomato、JioMartからのものが占めています。

さらなる投資で拡大と成長を目指す

さらに同社は最近、5,200万ドルの資金を確保しており、この資金を活用して事業をさらに拡大していく予定です。

同社はこの資金を使って、技術革新、テクノロジー、人材育成、供給網などへの戦略的投資を行う予定です。

「私たちは収益性の高いビジネスを展開しており、十分な資本を有しています。「我々は、技術、リーダーシップチームを強化するための人材登用に投資し、ブランド構築を通じてユーザーの増加に多くを費やし、新しい都市への参入を目指します。」とSanka氏は言います。

同社のプラットフォームには1,500万人のユーザーがおり、全国各地でオフィスや学校、大学の開設が相次ぐ中、今後1年半でこれを3倍以上の5,000万人に増やすことを目標としています。

バイクタクシー事業やオートリクシャー事業などは、インドのこれまでの風土故に成立するビジネスモデルと言えますが、そこにUberに代表されるような配車プラットフォームがそれらを取り入れることで、さらにインド独自のモデルが成立しつつあります。

ソース:バイクタクシーのスタートアップ「Rapido」がコヴィッド前のピーク時に戻る

バイク版Uber「Rapido」創業4年で評価額2億ドルにーーインド都市部の渋滞問題を解決する

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