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Vol.0067 インド政府、新型コロナウイルス「ワクチン外交」を開始

Vol.0067 インド政府、新型コロナウイルス「ワクチン外交」を開始

インド、数週間で近隣諸国にワクチンを出荷へ

1月18日付のタイムズ・オブ・インディア紙によると、インドは数週間以内にワクチン外交の一環として、近隣諸国に新型コロナウイルスワクチンを出荷することを計画しています。最初の対象国は、ネパール・ブータン・バングラデシュ・ミャンマー・スリランカ・アフガニスタン・モルディブ・モーリシャスのようなインドの近隣国となり、血清研究所またはBharat Biotech社のいずれかからの提供により、各国の新型コロナウイルスのワクチン接種の開始を目指します。

ネパールはインド政府に対し新型コロナウイルスワクチンを要望しており、ミャンマー・バングラデシュ血清研究所と契約したと宣言しました。また、S Jaishankar外相は、スリランカに対してもワクチンを提供すると約束しました。政府関係者によると、各国に対しては、ワクチンの費用はインド国内に比べて過度に高額にならないであろうとのことです。

関係者によると、諸外国は通常、政府の保健機関と企業の間で購入契約を結ぶことができるとのことです。ブラジルのフィオクルス研究所はセラム研究所と契約を結んだ。UAE、サウジアラビア、モロッコ、南アフリカなども同様の形になります。

インド国内のワクチンを優先することによる問題も生じる

これらのワクチンの輸出を許可するにあたって重要な点は、インド国内での必要量が十分に確保されることです。インドは土曜日に自国の新型コロナウイルスワクチンの予防接種を開始し、初日におよそ190万人が予防接種を受けています。

この問題点として、外国企業は最初にインド政府からの輸出許可が必要があるという点があります。これによってブラジルは、200万人分のワクチンを輸送するための航空機を準備をしていたものの、インド国内にまだワクチンが配布されていなかったため、手続きに滞りが生じました。これによってブラジルはインドからのワクチンの初回輸入はおそらくインド周辺国の後になると思われます。

インド国内の死者数が8ヶ月ぶりの低水準の状況

1月18日付のザ・ヒンドゥ紙によると、1月18日に更新された連邦保健省のデータによれば、インドにおける新型コロナウイルスによる新たな死者が145人が記録され、約8ヶ月ぶりの低水準となりました。

報告された感染者は合計で1万3788件。インドでの合計死者数は145人を新たに記録して1,52,419人に増加、回復者は102万人を超えました。1月12日の1日の新型コロナウイルス感染者数は12,548人。この病気から回復した人数は10,211,342人に急増し、全国の新型コロナウイルスの回復率は96.59%に達し、新型コロナウイルスの症例死亡率は1.44%となっています。

今後インドによるワクチン輸出はインド国内での感染拡大状況と相関関係をもって進行していくと想定されます。インドの「ワクチン外交」にも注視していきたいところです。

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