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週刊インドトピックス

Vol.0040 ギグワークプラットフォームのGigIndia、インキュベイトファンド・インディアから7300万ルピーの調達に成功

インド:新興ギグワークプラットフォームが7300万ルピーを調達

単発受発注プラットフォーム「GigIndia」

インド大手経済メディアのThe Times of India社の2020年10月17 日付報道によると、ギグワーカー(※1)向けのマネージド・マーケットプレイスであるGigIndia(ギグインディア)が注目を集めているようです。

プネを拠点とするGigIndiaは、2017年にSahil Sharma氏とAditya Shirole氏によって設立され、今年7月にプレシリーズAラウンドで日本に本社を置くVCのインキュベイトファンド・インディアから7300万ルピー(約1億360万円)を調達しています。同社は過去に2回シードラウンドの資金調達にも成功しており、著名なエンジェル投資家である元TCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ) CEOのS Ramadorai氏、元Tech Mahindra(テック・マヒンドラ)CEOであるKiran Deshpande氏なども参加していました。

コロナ禍での雇用創出に貢献

GigIndiaへの投資について、インキュベイトファンド・インディアの創設者兼ジェネラル・パートナーである村上直氏は、『ギグワークプラットフォームは労働者に大きな機会を提供し、企業に柔軟性と効率性を与えてくれるため、世界中で急速に普及している。しかし、インドのような急成長している多様性のある国では、アウトプットの品質管理が常に問題となっている。GigIndia は、機械学習や人工知能などのテクノロジーを活用し、高度に自動化されたプロセスによって出力の品質を標準化することで、この問題を解決している。』と述べています。

実際にGigIndiaのCEOであるSharma氏によると、『新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウンがインド国内の雇用機会を混乱させている中、 GigIndiaは雇用創出に貢献してきた。また8 月と 9 月にさらに1,500 件の新規案件が追加されたことで、今年4月から9月に生み出した就労案件の合計は3,500件におよぶ。』とのことで、実際にこの3,500件の雇用機会は870万人のギグワーカーの雇用を創出してきました。同社によると、プレコロナの労働者需要の85%が戻ってきており、今年10月~12月は需要の反発によって過去最高の四半期となる見込みがあるようです。

雇用リスク軽減のためさらなる需要増が見込まれる

GigIndiaは単発の仕事のみでなく、長期的な就労機会も提供しているようです。インドの200以上の都市で75万人以上の人材をスクリーニングし、従業員には職業訓練を課しているようです。また同社は成果報酬モデルを採用しており、企業は結果に対してのみ報酬を支払い、配置された人材への報酬はGigIndiaが支払う、というシステムを採用しています。

GigIndiaのプラットフォームを利用することで、企業は採用、トレーニング、労働力の管理などの問題に悩まされることなく、より迅速に成果を上げることができます。また、ウィズコロナのニューノーマルな働き方として、リモートワークが中心となっており、企業ではギグモデルがますます優先されるようになっています。現在の不確実な状況の下で企業にとって正社員を抱えることはリスクにもなっており、今後もギグモデルはますます需要が増していくでしょう。

※1 ギグワーカー:インターネット上のプラットフォームサービスを介して単発の仕事を請け負う労働者
Source:
GigIndia、需要の回復に強気な見解をを示す
インキュベイトファンド・インディアがGigIndiaに7300万ルピーを出資

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