India Weekly Topics

週刊インドトピックス

Vol.0117 3週間でポジティブな効果を得られる瞑想アプリ「Black Lotus」

インド最大のスタートアップメディアであるYourStory社の2021年8月29日付けの報道で、瞑想アプリを提供するBlack Lotus』を取り上げています。

 

瞑想アプリ「Black Lotus」の創設者Om Swami氏の経歴

Black Lotusは、ライフスタイルに基づく変化をエンドユーザーに提供することを目的としています。この瞑想アプリは、技術系の起業家であるOm Swamiが、同社CEOのVikram Shastryと共に2019年に設立しました。

技術系起業家から僧侶に転身し、瞑想のエキスパートとなったOm Swami氏は『Kundalini : An Untold Story(クンダリニー:語られていないストーリー)』、『A Million Thoughts(100の思考)』、『The Wellness Sense(ウェルネスの感覚)』、『When All Is Not Well(全てが上手くいかない時)』、『If Truth Be Told: A Monk’s Memoir(真実が語られるなら:ある僧侶の回想録)』などのベストセラーを含む15冊の著者でもあります。

そのウェルネスやメンタルヘルスに精通しているSwami氏が、「瞑想だけが人生の質を上げるための要素ではない」と語っています。彼は、親切心や感謝の気持ちも同様に、人生を豊かにし、幸福になるための要素であると考えています。

 

既存瞑想アプリとの差別化

Swami氏によると、既存の瞑想アプリのほとんどは、視覚化や「気持ちのいい」瞑想だけに焦点を当てていました。そこで彼は、Uttara Infosolutions社(※1)の創業者であるVikram Shastry氏を起用し、Black Lotusアプリを開発しました。

このアプリの背景にあるアイデアは、質の高いコンテンツやガイダンスを提供することだけではなく、RARE【①Reflect(内観), ②Act(行動), ③Reinforce(強化), ④Evaluate(評価)】というフレームワークを使って習慣化することにも焦点を当てています。

CEOのVikram氏は『我々の仕事はすべて、深い研究に基づいており、行動科学的に裏付けられている。Black Lotusは、6年以上にわたる研究によって構築されている。』と説明しています。そして『インドではほとんどすべての人が瞑想について聞いたことがあるが、実際に “どのように “瞑想するかを知っている人は多くない。また、瞑想というと、残念ながら既成の信念体系や教義、神秘主義的な傾向などが連想される、という事実がある。』と付け加えています。

同社にとっての最大の課題は「瞑想が人生のあらゆる場面で、心を使った科学的ツールとして役立つことを理解してもらうこと」だと話しています。

 

Black Lotusの変換点

当初、Black Lotusのプラットフォームは、ユーザーが集まり、テーマに沿った瞑想を行う場所として設計されていました。

その後、Swami氏は、エンドユーザーにライフスタイルに基づいた変化をもたらすために、親切な行為を加える必要があることに気づきました。また、彼はもう一点、重要なことに気がつきました。それは「なんのために瞑想をしているのかわからないまま瞑想をしていた」ユーザーが多くいたことです。この気づきを経て、Black Lotusのチームは目的別の瞑想を追加しました。

『ユーザーは、いつ、どのくらい瞑想すればいいのかを理解していなかった。そこで私たちは、質の高い瞑想を日常生活に取り入れる方法をユーザーに理解してもらうことで、習慣化を支援しなければならないと考えた。これを実現するために、習慣化のフレームワークを用いた目的ベースのアプローチを考案した』とVikram氏は述べています。

 

 

Black Lotusのビジネスモデル

Black Lotusの瞑想アプリは、iOSとAndroidの両方のプラットフォームで、B2BおよびB2Cの配信形式で提供されています。一般的なB2Cユーザーがアプリのメリットを最大限に享受するのに必要な月額料は250ルピー程度(約375円)で、B2Bモデルの価格帯は公表していません。

同アプリのソリューションは、ユーザーの精神的な幸福度を高めることを目的としており、測定可能な結果をもたらします。

ユーザーは、短時間でかつ、質の高い瞑想セッションを学ぶためのガイダンスを毎日受けることができます。同アプリには、ガイド付き瞑想セッション学生向けの特別パッケージストレス管理集中力の向上マインドフルネスなどが用意されています。

また、瞑想の効果をさらに高めるために、日々の小さな親切な行為を意識することを促し、マインドフルネスの行動を組み合わせることで、ユーザーが1日の中で全体的な幸福感を高めることができます。このアプリを使用したユーザーは、使用開始から21日以内に明らかなポジティブな変化を感じていると発表されています。

アプリダウンロード後は目的に応じた瞑想方法を選び、コンテンツに従うだけです。予定していた活動を忘れないようにするためのスマートアラート機能も搭載されています。

 

Black Lotusの今後の展望

これまで同社は自己資金のみで経営してきましたが、現在、小規模なエンジェル投資家からの資金調達を目指しているようです。

現時点でのBlack Lotusの大きな問題点として「ユーザーの離脱」が挙げられるとのことで、ユーザー体験の大幅改善に向けて動いているようです。また、スマートウォッチなどのウェアラブル機器とアプリを統合し、外出先でもBlack Lotusをフォローできるようにしたいと考えています。瞑想に慣れていないユーザーに、効果を実感してもらうには最低でも2~3週間の期間が必要であることを理解してもらうことも課題です。この問題に関しては、「質の高い瞑想を学ぶには時間が必要だが、取り入れればその価値はある」ということをユーザーに教育することで改善しているようです。

Black Lotusの競合には、calm.io(※2)、Headspace(※3)、Just Breathe(※4)などがあります。

日本でも3、4年ほど前から「ウェルビーング(※5)」や「マインドフルネス」などの言葉が流行り始め、メンタルヘルスを重視する傾向が強まってきましたが、コロナウイルスのパンデミック以降、その傾向は顕著になりました。心の健康を保つためにはいろいろな方法がありますが、本記事で取り上げている瞑想や親切な行動、マインドフルネスは誰もがすぐに実践することが出来、かつコストもかからない画期的な手段だと思います。

実際にBlack Lotusのアプリをダウンロードして、1つの瞑想を試してみましたが、リラックス効果を感じ、頭がすっきりしたような感覚がありました。日々の忙しい生活の中で瞑想を継続することは初めのうちは困難かもしれませんが、慣れてくるとその効果にやみつきになると思います。

今後ますますこの分野の重要性やニーズは高まってくると予想ができるので、注目して追っていきたいです。

 

※1 Uttara Infosolutions:https://www.uttarainfo.com/
※2  calm.io:https://www.nutanix.com/products/calm
※3  Headspace:https://www.headspace.com/
※4  Just Breathe:https://www.justbreatheproject.com/
※5 ウェルビーイング:直訳では「幸福」「健康」などの意。幸福な状態や、満足した状態であることを意味する。

Black Lotus:https://blacklotus.app/

Sourse:Om Swami氏が作った瞑想アプリ「Black Lotus」