Entry Into India

インド基礎概論

A-6. インドの支店・駐在員事務所 設立後のコンプライアンス

(文責:木内達哉 / Global Japan AAP Consulting Pvt. Ltd.)

本記事では、支店(BO:Branch Office)、駐在員事務所(LO:Liaison Office)の設立後に必要な手続きおよび必要書類についてご紹介をしたいと思います。

設立後に必要な手続き

支店、駐在員事務所の設立後、以下の手続きが必要になります。

<td”>駐在員事務所

手続き 支店 駐在員
事務所
出資金の送金証明書(FIRC : Foreign Inward Remittance Certificate)の発行 必要 必要
株式割当に関するRBIへの報告(FCGPR) 不要 不要
GST登録 必要 不要
Professional Tax登録 必要 必要

上記の各手続きは株式会社と同じになります(詳細は「A-2.インド現地法人の設立後のコンプライアンスについて」をご参照ください。)

駐在員事務所に必要な年次手続き

駐在員事務所には下記の年次手続きが必要になります。

手続き フォームの名前 期限
税務申告 Form 49C 翌期の5月30日
準備銀行への報告 Annual Activity Certificate 翌期の5月30日
登記局への財務報告 Form FC3 翌期の9月30日
登記局への活動報告 Form FC4 翌期の5月30日

1.Form 49C(税務申告書)

インドは法定の決算日が3月31日となっていますが、駐在員事務所は翌期の5月30日までに税務申告をしなければなりません。税務申告は監査済の決算数字を申告する必要がありますので、駐在員事務所の監査はかなりタイトなスケジュールで進めなければなりません。

2.Annual Activity Certificate

監査済財務諸表とともに、監査人が作成した年次活動報告書(AAC:Annual Activity Certicate)を、承認取引銀行(AD Bank)を通じてインド準備銀行(RBI : Reserved Bank of India)へ提出しなければなりません。AACの期限は翌期の9月30日ですが、Form 49CにAACの提出日を記載しなければならないため、Form 49Cの提出前にAACの提出を完了させなければなりません。従って、事実上のAACの提出期限は翌期の5月30日となります。

3.Form FC3

登記局(ROC:Registrar of Companies)へ財務報告を行うフォームがForm FC3です。株式会社の登記でいうForm AOC-4に相当し、監査済財務諸表に基づいて資産、負債、純資産、収益、費用を記入します。Form FC3の期限は翌期の9月30日までで、提出時にアポスティーユ認証を受けた本社の英文財務諸表を添付する必要があります。

4.Form FC4

登記局(ROC:Registrar of Companies)へ活動報告を行うフォームがForm FC4です。株式会社の登記でいうForm MGT-7に相当します。本社が従事するビジネスの概要やペナルティの有無などについて記載します。Form FC4の期限は翌期の5月30日までとなっています。

支店に必要な年次手続き

支店には下記の年次手続きが必要になります。

手続き フォームの名前 期限
税務申告 Form ITR6またはITR5 翌期の9月30日
準備銀行への報告 Annual Activity Certificate 翌期の9月30日
登記局への財務報告 Form FC3 翌期の9月30日
登記局への活動報告 Form FC4 翌期の5月30日

1.ITR-6またはITR-5(税務申告書)

本社が株式会社の場合にはForm ITR-6(通常の企業の税務申告フォームと同じ)で税務申告を行います。一方、本社がLLPの場合にはForm ITR-5(通常のLLPの税務申告フォームと同じ)で申告を行います。申告期限は決算翌期の9月30日ですが、移転価格取引がある場合には11月30日までとなります。

2.Annual Activity Certificate

駐在員事務所と同じく、支店もAACをRBIへ提出する必要があります。駐在員事務所についてはForm 49CにAAC提出日を記載する必要があったのに対し、ITR-6やITR-5にはそのような項目がないため、提出期限は決算翌期の9月30日までとなります。

3.Form FC3

駐在員事務所と同じく、支店もForm FC3をROCへ提出する必要があります。

4.Form FC4

駐在員事務所と同じく、支店もForm FC4をROCへ提出する必要があります。

執筆者紹介About the writter

木内  達哉
木内 達哉 | Tatsuya Kiuchi
東京大学経済学部卒。IT業界での営業職を経て、経営企画室にて予算管理や内部統制整備、法務コンプライアンス業務、また、財務経理部にて海外子会社の経理業務などを含む幅広い経営管理業務に約10年従事。2018年より南インドに移住し、インド会計・税務コンサルタントとして日系企業のインド進出を支援している。

インド基礎概論

A-1 : インド現地法人の設立手続について

A-2. インド現地法人設立後のコンプライアンスについて

A-3. インドでのJV・合弁会社の設立時に注意すべきポイント

A-4. インド駐在員事務所・支店の設立条件・要件および設立前に確認すべき事項

A-5. インド駐在員事務所・支店の設立手続について

A-6. インドの支店・駐在員事務所 設立後のコンプライアンス

A-7. インドLLPの設立条件・要件および設立前に決定すべき事項

A-8. インドLLPの設立手続について

A-9. インドLLPの設立後のコンプライアンスについて

A-10. 日系企業のインド進出状況と今後の動向